平成27年7月26日
森の駅推進協議会 代表幹事 岡本守生
本来、森は、大自然の象徴として日本人の心の中にありました。
中には、ご神体とし、また、集落の支えである鎮守の森として存在しました。
一方、木材の供給源として、エネルギーの供給源として、人々の生活を支えました。
その為に、絶えず手入れをして来ました。
森と人の文化は、お互いに「お蔭さまで・・・」だったのですが、戦後のエネルギーを中心とする都市化と言う社会構造の変化で、森への拠りどころが無くなってしまいました。
更に、自然な木材で建てられていた住まいは、化学の進歩で健康な住まいとはほど遠い住宅になって、森と住いを巡る社会の変化は、急速に疎遠になり、歪になっています。
市民・生活者は、時には森林セラピー等で森から元気を戴いていながら、往年の草刈り十字軍を始め、間伐や植林などの一部のボランティア活動を除いては、直接、森に還元し、森に元気を与えるものを持っていません。
然し、「日本の森から産出した香りある木材を使用した住まいを始めとする諸木製品」を、勇気を出して選択することで、森の川下(設計事務所・木工所・工務店)から遡って、日本の森を元気にすることは出来ます。
将に、この選択は、自然な住まいのへの回帰であり、自然への回帰なのです。
特に大都会では、世の中の動きに疑問を感じず、歪な世の流れのままに動いています。
そのような流れの中で、漫然としていては「古きにも、自然にも、良さがある」は通じません。
こうした歪な社会であるが故に、警鐘を鳴らし啓蒙をする必要がありそうです。
野外の森での植林活動も大切ですが、今、生活者・市民の心に植林をしておけば、数十年後には、香りある無垢の木材が選択される可能性はあります。
植林の50年後、役立つ木々に育つと同様な、森への貢献になるかも知れません。
また、西洋風に言えば「住まいのルネッサンス」ですから、人間復興です。誰かが、やらなければなりません。
既に、衣食住の中で、衣食は既に自然への回帰が進み、自然な食、自然な衣が盛んになりました。
生活生協等の運動のたまものです。
自然な住まいへの回帰、即ち、香りある自然乾燥の木材の選択をすれば、木の持つウッドセラピーを24時間浴しながら、家族ともども毎日元気に過ごせます。
現在では、気の遠くなるような啓蒙活動ですが、日常の健康は、決して高価な選択ではありません。
この本ものへの啓蒙・啓発の中で、「自然への懐かしさを感じたり、忘れかけていた伝統を思い直したり、将来の健康を考えたり」、等で触発されて、市民・生活者が、自然と森への感想・意見を持つようになる。
即ち、自然と双方向になることが、「日本の森を元気にする」普及に繋がるのでは、と考えています。
その関係に持って行くには大変な努力がいりますが・・・。
生活者・市民の心に植林をする使命を負う「市民フォーラム」は、我々にとって、森の駅発の重要なネットワークと位置付けております。
ご来場をお待ちしています。