東京圏以外での法人税の大幅切り下げで、ふるさと創生を

平成27年8月23日

森の駅推進協議会 代表幹事 岡本守生

佐々木穀東大名誉教授に依れば(東京新聞)、日本には、
グローバル経済の理屈で動く経済と、
地域密着型の理屈で動く経済、 
と言う二つの違った構造をもつ経済があり、認識することが大切であるとのこと。

 地域の経済を動かす為に、現状では、県独自の法人税の上乗せをしていますが、地方分権が、米国やドイツのようになされていないで、掛け声だけに終わっている現状では、これは止むを得ない状況と言えます。
然し、これでは益々、地方での企業の存続と、新たな企業化は難しくなってしまいます。

 安部首相は、ローカル・アベノミクスと称して、景気回復の実感を必ずや全国津々浦々にお届けます、と意気込んでいます。
また、ふるさと創生を掲げて、内閣府内に、担当部署の設置と予算を付けています。経産省では、ローカル経済圏で稼ぐ市場を、域内外に求める案を研究しているようです。
然し、これらは全て、地域密着型の理屈で動く経済の強化ではないようです。
国のしてやる目線の政策が目立ちます。
最もいやなのは、選挙を意識したバラマキです。

 欧州を震源地とする法人税率の引き下げ競争が拡がって、日本でも下げるべきとの産業界の声が大きくなっています。
そこで、地方における法人税課税率を大幅に下げることを先行さすべきだ、と思います。
具体的には、
東京を中心とする関東圏は下げないで(むしろ上げて)、
それ以外の地域は、大幅に下げては,如何でしょう。

 地方に実質的な本社のありながら、名目的に東京に本社を持っている会社も多いようです。
 そのお蔭で、千代田区の神田税務署一つで、全国の法人税の60-70%(?)を徴収しているように伺ったことがありますが(確認は出来ていませんが)、ええ恰好の時代は終わりました。

 地方での法人税率が下がれば、企業の東京圏離れが進み、事業主体のある地域に企業の本社が戻ります。
更に、移転企業が、地域の県が独自の法人税の上乗せを実施しても、なお得だと感じるほど、地方での法人税率が下がれば、地方の財源を潤します。
そうなりますと、地域の県が、独自の補助金や助成金を捻出できて、多様な創生策が可能になります。
また、企業の中国進出で、現在は、中国の民を潤していますが、地域雇用に対する減税又は補助を実施すれば、地域の民を潤し、更に、活性化するでしょう。

 そうなれば、海外の企業が東京ではなく地域に直接進出するようになるかも知れません。
 
現状では、
地方での少子化対策が成功して出生数が増えても、成人の後、再び東京に流出するとの危惧がありますが、本社ごと地域に戻ることと、企業化し易い状況を創るで、こうした憂いを柔らげるのではないでしょうか。