地主不明の林地や耕作放棄の農地、国有地に

平成27年8月16日

森の駅推進協議会 代表幹事 岡本守生

ある森林組合に伺った際に、山主の同意を得て間伐や林道整備を行っているが、その際に、地主不明の森があって困っている。
町役場と一緒に探しているが、とのこと。
また、東北の被災地で、新しく小高い森林を開拓して、新しい住宅地を造ろうと計画したが、入会いの林地の権利者が(東京や外国へ移住したのか)一部見つからず、計画は延期されたままになっている、とのことでした。

 また、数年前に、外国人に依って、防衛関連の拠点に近い森や、水源地に近い森が買われていることが話題になりました。
土地の私有権は無限ではなく、制限されるべきではないか、と問題解決への提言がありました。
また、外国人買主の代理を勤める日本人の問題にも触れています。

 森は、ものを言わないので、一部の国民の勝手が通って、放置国家になっていますが、今や法治国家らしい姿が求められています。
土地の私有権を侵すことが出来ない為、色々な問題が起こっていますが、元々、土地は国のものでもあります。
然し、日本の土地私有権の権利は、世界で最も強いと言われています。
共産国では圧倒的に国のものとされておりますのに・・・。

 明治の初頭、新政府が政府資金の調達に困り、当時の財界(?)に資金の調達をお願いした際に、その見返りに、大幅に土地の私有権を認めたと聴いていますが、本当ならば、時の薩長政府の勝手で、その後の政府や自治体、国民が、土地調達(収用)に大変な苦労をされたのではないか、と思います。
現在、森林組合をはじめ関係の自治体が直面している林地ですが、将に、そうした土地問題の、森林版です。
解決策として、届け出のない林地や相続不明の林地は、一時国預かりとして市町村が管理をし、その旨の公告後10年経っても不明な場合は国有地にしては如何でしょうか。

 戦後、農地解放で、農地は国に没収され、当時の小作者に分け与えられました。
然し、林地は解放されず、不平等が残っていました。
それ故、僅かな林地で無理なご苦労をされることなく、国預かりにしても良いのではないかと思います。農地解放を知っている方々が元気な内に、「林地国預かり」の法律を検討すべきでしょう。

 序でに、農業は、産業構造の変化で、子供たちが継ぐ時代では無くなっています。
耕作を放棄し荒れた農地になる前に、戦後農地解放で得た農地は一旦国家に返すべきではないでしょうか(中には出征中で帰国が遅れ権利を失った方もいます)。
ご先祖の方々が苦労されてつくった農地で、遺産に等しいのでから、農地で活かす道を選ぶべきでしょう。
国が管理し、農業を希望する方に、一代かぎりでも良いので、貸与しては如何でしょうか。
更に、その子供が農業を希望する場合は、譲渡する、等の農地の有効活用制度があれば、都会からの回帰者も多くなると思うのです。
農地に対する税金を云々することも大切ですが、ふるさと創生の基本になる政策のように思うのですが・・・。

農林政策に携わっておられる皆様の奮起をお願いする次第です。