「森の駅発」メルマガ 第74号
・全国の森の駅=活動紹介=青森県「わにもっこ」
2009年の夏、森の駅発例会(現在の市民フォーラム)に青森県から山内将才氏を迎え、
「森のパンセ」と題した講演を開催したことがありました。
山内氏は青森県南津軽郡大鰐町で「わにもっこ」を主宰している木工家であり、
また森林管理者としても幅広く活動されておられます。
今年もこれから春の季節を迎える青森県、その弘前市に近い大鰐町で、
内外に知られる活動を続けておられる「わにもっこ」をご紹介します。
・山小屋通信–15「冬の製作」大森 明
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全国の森の駅=活動紹介=青森県「わにもっこ」
「わにもっこ」は、設立(1989)当初より、
第1回ジャパン・ブナ・フェスティバル金賞受賞(1989)、森の詩人達展開催(1991以降)、
東急ハンズ渋谷本店での木工体験開催(1996)、雪の大食卓会(1997以降毎年開催)、
あおもり伝統工芸・クラフト展での連続受賞(2002金賞・奨励賞、2003グランプリ)など、
目覚ましい活躍を続けておられます。2009年以降の主な活動と受賞は次の通りです。
2009年
・わに デザインプロジェクト「地域デザイン考」開催
荻野克彦氏、水戸岡鋭治氏参加
・わに デザインプロジェクト「地のデザイン考」開催
田中陽子氏、岩永正敏氏、荻野克彦氏
・日本一長い木の橋(長生きの橋)「鶴の舞橋」を再生したマイ箸作り(鶴田町)
2010年
・「東北の恵み、手仕事展」(青森県ウッドクラフト協議会)出展(ゆずりは/青山)
・「とことん青森2010原宿表参道」(わにもっこ・青森県ウッドクラフト協議会)出展
・「空間を生かす 空間を楽しむ 津軽の手作り家具と玩具展」
・十和田ビジターセンターイベント 木工体験ワークショップ「森の学校」
・MALINA LINE+県木住展(青森県ウッドクラフト協議会)
・荻野克彦の「体験を形にする」展に出品(吉祥寺)
2011年
・GOOD DESIGN EXPO 2011参加(東京ビッグサイト)
・わに デザインプロジェクト「mono labo」開催
・「CAFE Rural」プロデュース一式(西目屋村)
・弘前城築城400年記念品 たかまるくんのあしあと木皿一式
2012年
・荻野克彦の「考動」展(東京/吉祥寺)
・キッズカンパニー協力(弘前市)
2013年
・GOOD DESIGN AWARD 2013 重ね丸皿 受賞
・おみやげ事業「あお森木みやげ」(青森県ウッドクラフト協議会事務局)
2014年
・青森ひば 浴槽 製作開始
・デザインオフィス家具一式(東京/新宿御苑)
・木のプレート/森のあしあと(東京ギフトショー出品)
・My First Table Ware販売(東京/パークハイアット東京デリカテッセン)
・荻野克彦の「いずれも自分の姿」展(東京/吉祥寺)
2015年
・Boo Boo シリーズ(青森県産の木材を使った玩具)The Wonder 500(経済産業省)認定
・東京スカイツリータウン「ソラマチ」東北スタンダードマーケット出品
・弘前林檎スプーンプロジェクト(地元林檎の樹を使った弘前市民の1歳の誕生日プレゼント)
「わにもっこ」は日本三大美林の秋田杉の北限と青森ヒバの南限にあたり
西からの白神山地ブナの延長線上の場所に位置します。
南津軽の里山の伝統的な生活文化と地域の自然環境を守りながら、
森の恵みである木を可能な限り無駄なく活かし、木と木のモノ、
小木工から家具まで、ひとつひとつ丁寧に仕上げています。
オオヤマザクラ、オニグルミ、イタヤカエデ等の30年~40年で用材となる
比較的循環しやすい材をはじめ、トチノキ、センノキ、カツラ、ケヤキ、クリ、
また森を形成するブナ、ナラ類、カンバ類等の広葉樹、
青森ヒバやマツ、スギ等の針葉樹約30種類以上の樹木を使い分けています。
自然素材の魅力、木の生命力を大切にしたシンプルなモノづくりと、
木の周辺(虫、鳥や動物と樹木との関係)をライフワークに、
森との共存を目標にして、使い手の想いに応えるよう、
妥協のないモノづくりに取り組んでいます。(わにもっこ ホームページより)
正式名称 : わにもっこ 企業組合
所在番地 : 青森県南津軽郡大鰐町大字早瀬野字坂本72番地の2
電話番号 : TEL. 0172−48−5526 FAX. 0172−47−5091
代表理事 : 山内将才
設 立 日 : 平成元年7月5日
事業目的 : 木材工芸品の生産及び販売
大鰐町木材工芸品等加工施設の管理運営を受託して行う木材工芸品の研究
ホームページ : http://www.wanimokko.jp/hq/about.html
3月下旬、津軽の春は青森ヒバの花が咲き、
フキノトウには越冬したヒョウモンやテハの仲間たちが蜜を吸いにきます。
ウグイスやオオルリが鳴く頃には山里は一気に萌色になり、
たくさんの樹々の花々や山野草が顔を出します。森の芽吹きの季節です。
夏の夜、ホトトギスやヨタカが遠くで鳴き、沢近では静かに蛍が舞います。
稲穂が黄金に輝く頃、森ではカツラの落葉が香り、
オニグルミの樹上ではリスが実をほおばります。
オオヤマザクラの黒い小さな実はヒヨドリなどが食し、
一部の実は消化しきれず排泄物と一緒に落とされます。
こうして木の種子は拡散していきます。
生き物たちと樹々は共に助けられ共存しているのです。
11月頃森は初雪を迎え、小さな虫や動物たちの冬支度も一段落し、
厳しい冬を過ごします。(わにもっこ ホームページより)
*都内でも展示や販売を通してその美しい木工品との出会いは可能ですが、
四季の恵み豊かな森の中の「わにもっこ」を訪ねてみたいですね。
「わにもっこ」青森県南津軽郡大鰐町大字早瀬野字坂本72番地の2
交通:鉄道/JR東日本奥羽本線「大鰐温泉」駅下車
車/東北自動車道(碇ヶ関IC)〜国道7号線 〜 県道201号線
森の駅推進協議会は「森の駅」の紹介と併せ、販売の協力もしています。
ご購入希望の方は、下記連絡先までメールにてお問い合わせ下さい。
連絡先:岡本 メール:morinoekihatsu@m01.itscom.net
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山小屋通信–15「冬の製作」大森 明
山小屋の工房には、冬期はあまり行かない。とにかく寒い。
山奥の標高1千m超の小高い斜面にポツンと建っているので、
アルプスの山々から冷気がサーッと来る感じがする。
12月はまだ寒さも序の口なので、クリスマスリース作りや大掃除に行くが、
1月~2月は勿論、3月でも朝の気温が氷点下10度前後になることがある。
雪は少ない地域なので「氷の世界」。
工房はスペースの関係で、大物を屋外で作業せざるを得ないのだが、
下界育ちの身には寒くて外で工作どころではない。
小物の工作を、山小屋の中でストーブをガンガン焚いてやるにしても、
カンナ屑やノコギリ屑が灯油ストーブの回りを舞い、山小屋焼失になりかねない。
という訳でしぶしぶ冬は下界で製作ということになる。
しかし下界の集合住宅のベランダで電動カンナや電動ドリルを動かし始めると、
これがまた大変な騒音。
周りのコンクリートに反響するのか、騒音が増幅され、ご近所にとって迷惑千万。
防音室など持てない身分としては、止むなくカンナもドリルも「手動」に切り替える。
この「手動」の道具は作業スピード面で電動工具にかなわないが、
体力を結構使うので健康維持に役立ち、
指先の力の強弱加減も必要なためボケ防止にも役立っているかもしれない。
「造る」という感じを実感する度合いも強い(気がする)。
そう思い込むようにしているが、やはり思いっきり工作ができる春が待ち遠しい。
=次号に続く=
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