メルマガ53

「森の駅発」 メルマガ 第53号 ☆彡
森から生まれたエコ農業 2=
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第51号から引き続き
愛知県知多半島の20ヘクタールの有機栽培農場、
農事組合法人「光輪」の創始者である熊崎巌さんにお聞きしています
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17年前までは石ころだらけの不毛の地だった「光輪」の農場ですが、現在は
大根の出荷量は日本最大規模で、年間約50万本、
玉ねぎは200トンを数えるほどの豊穣の土地に変化しました。
成功に至る具体的なコツを順を追って教えていただきました。
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熊崎さん:
いい作物が育つ土を作るには、微生物が元気になる条件を整えます。
それには、有機物を土にたくさん入れます。
微生物は有機物を分解しそれをエサにして生きているからです。
光輪では、乳酸菌を飲ませた牛の糞や
ソルゴーなどの植物を育てて、それを土に入れます。
それらが小動物や微生物のエサになります。

微生物が有機物を食べて出した排泄物は
植物の栄養になります。
また、土をよくしてくれるんです。
排泄物はノリのように粘着性があるので、
土の粒子と粒子をくっつけてお団子のような状態にします。
すると、びっしりつまっていた土の中に隙間ができて、通気性がよくなり
植物と仲のよい微好気性菌が生息しやすい環境ができます

そのような土は、空気を含んであたたかくなり、
隙間がたくさんあるので、水はけもよくなり、水持ちもよくなります。
隙間は、ちょうどスポンジのような状態になるんです。

歩いてみると、柔らかく、そして確かにスポンジのように弾力性があることを感じます。
サラサラしていて手にくっつきにくい特徴もあります。
匂いもいい香りがします。

このような土の状態を専門用語では、団粒構造と呼びます。
団粒化が進めば進むほど、作物が育ちやすい、いい土になります。
豪雨や干ばつなどの気象災害にも強い土壌環境になります。

また、作物には、それぞれ共存共栄しやすい微生物がいます。
作物は連作すればするほど、共存共栄状態にある微生物も一緒に増えるので
さらによく育つようになってきます。
ですから連作障害は起きないのです。
光輪農場では、毎年同じ場所にニンジンや大根を作りますが、
年々よくなっています。

微生物を増やすことが大切です。
そうすれば、南知多半島の不毛の大地でも年々土が変わっていき
数々の奇跡が起こるようになってきます。

微生物の働きは森を観察しているとよく分ります。

=次号につづく=