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森の駅発メルマガ No.188 2025 四月 April
April は蕾が開く意味の Aperit、一年の始まりの Aperio、美の女神 Aphrodite のラテン語 Aprilis が起源です。
目 次 🌲🌲🌲🌲🌲🌲🌲🌲🌲🌲🌲🌲 🌲🌲🌲🌲🌲🌲🌲🌲🌲🌲🌲🌲🌲🌲🌲🌲🌲🌲🌲🌲
・4月の横顔「エイプリルフール」
・山小屋通信 Part 105 「メタセコイアの林」大森 明
・ワインへの誘い 第3回「ボルドー地方 左岸」吉田 健一
・美術コラム「歌川広重「名所江戸百景」から『吾嬬の森 連理の梓』」戸田 吉彦
・関連情報「林野庁 森林被害対策『山火事予防』」
4月の横顔 🌲🌲🌲🌲🌲🌲🌲🌲🌲🌲🌲🌲🌲🌲🌲🌲🌲🌲🌲🌲🌲🌲🌲🌲🌲🌲🌲🌲🌲🌲
4月1日は年度始めであり、またエイプリルフールの日です。
普段ならすぐ分かる冗談や悪戯に気づかず、後で苦笑いする人もいるでしょう。
この遊びが私たちの生まれる前から長く続いているのは、窮屈な社会の潤滑油だからであり、
また近頃、エイプリルフールの話題が少ないのは、詐欺やデマが増え誤解を避けるからです。
嘘が横行する社会では、楽しい冗談も影を潜めてしまいます。
April Fool とは騙された人ですが、エイプリルフールの嘘は joke(ジョーク 冗談)や trick(トリック
悪戯)、prank(プランク 悪ふざけ)と言い lie(ライ 嘘)は使いません。これが本場の判断基準です。
その英国ではドングリの小枝を頭や襟につけ、1660年の王政復古を祝う「オークアップルデイ」
を起源とします。この日を Poisson d’avril(プワソンダヴリル=4月の魚/4月は禁漁期)と呼ぶフランス
はその昔、3月25日~4月1日に新年の祝祭をしていたところ、暦は1月1日に始まると国王が
決め混乱が起きた1564年を起源とします。この日フランスの子供は紙に魚の絵を描いて人の背中
に貼って、気づかれるとプワソンダヴリル(4月の魚はありえない意味)と叫んで逃げる遊びをします。
日本では大正時代に欧米から由来、エイプリルフールの直訳で「4月馬鹿」と呼びますが、一方で
江戸時代は「不義理の日」と呼んだ慣習と結びつける説もあります。「不義理の日」はご無沙汰を
している人に手紙で不義理を詫び、迷惑をかけたとか借金の返済が済んでいない等も含まれます。
忘れている不義理はないか、思い出せない自分は馬鹿だと思いを巡らせる慣習は日本的です。
エイプリルフールの本場を自認する欧米では、年1回のこの奇妙な日を楽しみに待つ人々へ向け、
大企業が店舗、TV番組、広告、web を使い大掛かりな悪戯を仕掛けるほど広く定着しています。
その代表が英国国営放送のBBCです。それを熟知する英国でさえ信じる人が続出した、伝説的な
「空飛ぶペンギン」(2008) や「スパゲッティの収穫」(1957) は、下記のサイトで視聴できます。
Flying Penguins https://youtu.be/9dfWzp7rYR4?si=cUbLRNyaS5gNesB5
Spaghetti-Harvest in Ticino https://youtu.be/tVo_wkxH9dU?si=oa39nYb5X9xJLfa5
英国は午前中のみ、イスラム圏はしないなど注意も必要ですが、上手に楽しみたい春祭りです。
山小屋通信 PART105 🌲🌲🌲🌲🌲🌲🌲🌲🌲 🌲🌲🌲🌲🌲🌲🌲🌲🌲🌲🌲🌲🌲🌲🌲🌲
「メタセコイアの林」大森 明(森の駅発メルマガ編集・発行)

先日、生田緑地(川崎市多摩区)を訪ね、芽吹き前のメタセコイア林を散策した。
メタセコイアはヒノキ科メタセコイア属の落葉針葉樹。秋に紅葉して落葉するので芽吹き前の
この時期は林内で上を見上げると空がけっこう見えて、同じ針葉樹のスギ(常緑針葉樹)の林
とは雰囲気が少し違っておもしろい。
また、メタセコイアはけっこう高くなる木で、幹が真っ直ぐに上に伸び、天をつくような感じ
で壮観だ。林内でしばし上を見上げていてメタセコイア発見の経緯を思い出した。
その経緯とは、メタセコイアの立派な林がある小石川植物園を当協議会の野外勉強会で訪れた
折に教えていただいた話しだ。メタセコイアは1941年に日本の学者が古代の化石樹木として
発表し、絶滅種として認識されていた。その後、1945年に中国に生き残っていることが明らか
になり、戦後にその種子が米国経由で日本に入り、小石川植物園のメタセコイア林ができた。
現在ではメタセコイアは日本各地の公園や街路樹に広まっているという。この経緯を聞いた当時、
まるで生きた化石魚・シーラカンスの樹木版ではないか!と驚いたものだ。
人類が誕生してから数十万年。人類は温暖化などの地球環境変化や世界各地の紛争・戦争に直面
している。数百万年も絶滅せずに生きてきたメタセコイアに、しぶとく種をつなぐ秘訣を聞いて
みたいものだ。
ワインへの誘い (第3回) 🌲🌲🌲🌲🌲🌲🌲🌲🌲 🌲🌲🌲🌲🌲🌲🌲🌲🌲🌲🌲🌲🌲🌲🌲
「ボルドー地方 左岸 」吉田 健一(元ろうきん森の学校 運営メンバー)
今回は、ボルドー地方の左岸(グラーヴ地区・ソーテルヌ地区)を取り上げます。
グラーヴ地区(Château Haut Brion, Château de Fieuzal, Château Smith Haut Lafitte
等)
グラーヴはフランス語の「グラヴィエ(砂利)」という言葉の由来で、その名前の通り砂利を
含んだ水はけの良い土壌となっています。
グラーヴはボルドー市の北部を包み、メドック地区の南端であるブランクフォールから始まり、
東側はガロンヌ川、西側はかなり奥深くまで幅広くなっています。
地区の中には43の村があり、ブドウ畑の面積は3100haと広大です。
赤ワインと白ワイン両方を認められたAOCで、1855年のパリ万国博覧会の目玉の61シャトーで
1級となった素晴らしい赤ワインである、
Château Haut Brion(シャトー・オー・ブリオン)の産地でもあります。

引用元:ワイン大国フランス - 12の産地が描く文化と特徴|ワインやお酒にまつわるお役立ち情報|モトックス
グラーヴのワインは、「グラーヴといえば白ワイン」というイメージが強かったため、
メドックやサンテミリオンに比べるとなじみが薄いかもしれません。
イギリスではスーパーなどで1980年代まで大きくグラーヴの文字の書かれたジェネリックワイン
が陳列されていました。
グラーヴを構成するコミューンは相当な数があるのですが、歴史的にはっきりとした個性を持つ
傑出した村がありませんでした。
しかし、1989年にペサックレオニャンという独自のAOCが認められるようになりました。
砂利混ざりの土壌がカベルネソーヴィニヨンの栽培に向いているため、カベルネソーヴィニヨンを
主体としたブドウ栽培が行われています。
メドックに似た土壌ではありますが、赤ワインはメドックよりもスパイシーで、かつ優しく軽い
味わいです。色も濃いルビーの美しい色調であることも特徴として挙げられます。
白ワインはソービニヨンブランやセミヨンが栽培され、高級ワインからデイリーに楽しめる軽めの
辛口ワインまで幅広く生産されています。
グラーヴ・スーペリウールという甘口白ワインもAOCに認定されています。
グラーヴ地区は海運流通の拠点として栄えていたため、認知度の伝播として優位性がありました。
そのためグラーヴは、ボルドー地方のワインを広めたとされる地区で、この地区からボルドーの
ワイン造りがはじまったとされています。
メドック地区のワインが有名になる18世紀までは、グラーヴのワインは人気が高く、イギリスに
輸出されるクラレット(ボルドーワインの愛称)の産地でもありました。
その後メドックに押されている状態が続きましたが、1937年には赤白どちらのワインも、AOCに
認定されました。
1970年代になってから品質向上によって素晴らしい赤ワインが産出されるようになり、流通価格
でもメドックよりも高いものも出てくるようになり、現在に至ります。
<グラーブの格付:全16 Château(シャトー)>
*ラベルと照合しやすいよう原語(フランス語)で表記します。
・「赤のみ」(7Château)
① Haut Brion ② de Fieuzal ③ Haut Bailly ④ La Mission Haut Brion
⑤ La Tour Haut Brion ⑥ Pape Clement ⑦ Smith Haut Lafitte
・「赤と白」(6Château)
① Bouscaut ② Carbonnieux ③ de Chevalier
④ Latour Martillac ⑤ Malartic Lagraviere ⑥ Olivier
・「白のみ」(3Château)
① Couhins ② Couhins Lurton ③ Laville Haut Brion
ソーテルヌ地区
ドイツのトロッケンベーレンアウスレーゼ、ハンガリーのトカイと並び、世界三大貴腐ワインと
呼ばれる「ソーテルヌ」。
ソーテルヌの産地は、フランスの南西にあるボルドー地方の中でも南側のグラーブ地区の南部、
ガロンヌ川左岸に広がっています。
ソーテルヌ地区も同様に土壌に砂利を多く含む小高い丘がある丘陵地帯です。
ソーテルヌを語るのに欠かせないのが、『貴腐菌(ボトリティス・シネレア)」の存在です。
貴腐菌は、本来は灰色カビ病を引き起こす菌であり、ブドウだけでなく野菜などにも付着する
世界中に広がる病原菌です。
ソーテルヌではこの貴腐菌により貴腐ブドウが育ち、最高級の貴腐ワインが生まれるのです。
貴腐ブドウをうまく育てて収穫するには、類まれなる環境が必要です。
ソーテルヌには、ガロンヌ川の支流であるシロン川という小川があり、
その周りに森が広がっています。ブドウが熟す秋になると、朝、森で冷やされたシロン川と、
大河で暖かいガロンヌ川が合流する場所で温度差により朝霧が発生し、ブドウ畑を覆います。
この湿った環境により、貴腐菌がブドウに付着し、午後になって霧が晴れ、太陽が降り注ぎ
乾燥することによって貴腐ブドウが育ちます。
ソーテルヌを造るぶどう品種のセミヨンやソーヴィニヨン・ブランは果皮が薄く、貴腐菌によって
無数の小さい穴が開けられます。そこからブドウの実の水分が蒸発し、糖分が残り、凝縮された
アロマが引き出されます。こうして貴腐菌独特の風味や香りのするブドウが造られるのです。
この貴腐ブドウを何回もに分けて慎重に、丁寧に収穫し、
注意深く醸造し、極上の甘口ワインを作り出します。
ブドウの甘さを極限まで引き出す貴腐ワインは、その華やかさと
味わいから「高貴なる腐敗」と呼ばれています。
<ソーテルヌの格付け:全27 Château(シャトー)>
特別第1級(1シャトー):プルミエ・クリュ・シュペリュール ( Premiers Crus Superieur)
・Château d’Yquem
シャトー・ディケムの畑面積は100ヘクタールほどで、生産されるワインは8万本~10万本程度。
収穫時期は多くの場合、最低4回の時期に分けブドウ畑を廻る、約150人の摘み手のグループに
よって、6週間から8週間ディケムに滞在、粒単位で丹念に手作業で選別し、オークの新樽で3年
熟成された後、瓶詰めされます。ボルドーワインの中で唯一、
第一特別級(プルミエ・クリュ・シュペリエール)という最高位の評価を得ました。

Château d’Yquem 1983
第1級 (11シャトー):プルミエ・クリュ ( Premiers Crus )
Château Suduiraut Château Climens Château Rieussec 等
プルミエ・クリュに格付けされたシャトーは、ボンム、プレニャック、バルザック、ファルグの
コミューンが含まれていますが、いずれもソーテルヌ&バルザック地区を代表する一流シャトー
ばかりです。

Château Rieussec 1982
第2級(15シャトー):ドゥージエム・クリュ ( Deuxièmes Crus )
Château Doisy Daene、Château Doisy Vedrines、ChâteauFilhot などは安定した味わいで、
高い評価を受けています。
参考サイト:極甘ワイン『ソーテルヌ(Sauternes)』とは?バルサックとの違いも解説 | THE CELLAR online store|
ワイン通販より引用
次回は、ブルゴーニュ地方を取り上げます。
美術コラム 🌲🌲🌲🌲🌲🌲🌲🌲🌲 🌲🌲🌲🌲🌲🌲🌲🌲🌲🌲🌲🌲🌲🌲🌲🌲🌲🌲🌲🌲
歌川広重 (1797-1858)「名所江戸百景 (1856-58) 」より
『吾嬬の森連理の梓(あづまのもりれんりのあずさ)』 戸田 吉彦(森の駅推進協議会幹事)
樹木の名画をご紹介する中で登場が増えた、「名所江戸百景」の説明が一度必要かと存じます。
この錦絵揃物は、浮世絵に風景画を確立した広重が安政三年二月から、亡くなる年まで携わる遺作
であると同時に最高傑作と言われます。ゴッホが模写した『亀戸梅屋舗』『大はしあたけの夕立』、
『青と金のノクターン = オールド・バターシー・ブリッジ』制作にあたり、ホイッスラーが参考に
した『京橋竹河岸』を収録するなど、西洋美術においても「ジャポニスム」期の重要作品です。
広重死後、図案家・梅素亭玄魚は目録を発行、二代広重襲名披露に加えた『赤坂桐畑雨中夕けい』
を除く画題118点を春夏秋冬に分類。初代広重逝去後に出された、『上野山した』『市ヶ谷八幡』
『びくにはし雪中』については二代広重の作画説があるも、初代の落款があり目録に入ります。
かような次第から、二代広重の1枚と目録を加えて全120枚とする数え方もあります。
目録の内訳は、春の部42点、夏の部30点、秋の部26点、冬の部20点。春の部に桜景色は15点、
『上野清水堂不忍ノ池』『日暮里寺院の林泉』『日暮里諏訪の台』『千駄木団子坂花屋敷』
『飛鳥山北の眺望』『王子音無川堰棣(えんたい・水量調節機構)』『世俗大瀧ト唱』『目黒千代が池』
『目黒新富士』『目黒元富士』『品川御殿やま(山)』『砂むら元八まん』『吾嬬の森連理の梓』
『隅田川水神の森真崎(まっさき)』『市ヶ谷八幡(亀岡八幡宮)』『玉川堤の花』でありましょう。
ほぼどれも桜や花の字がなく、梅や桃の可能性もありますが、今に伝わる桜の名所ばかりです。
この中で、先月ご紹介した、第30景『亀戸梅屋鋪』と北十間川を挟み、北の斜向かいにあるのが、
第31景の『吾嬬の森連理の梓』です。今では周囲に家が建ち並び、当時の面影はありませんが、
かつては何もなく互いに見える間柄です。絵の花も、北十間川が注ぐ隅田川堤道は桜を植え名所と
した時ですから、同じ桜と考えられます。そして「森の駅」の皆様は画題の「森」と「梓」に興味
を持たれると思いますが、この絵は少々説明が必要なゆえ、今月の絵に取り上げたく思います。
この絵はよく『吾妻の森連理の梓』と常用漢字で書かれますが、画中の題字を見れば「吾嬬の森」、
現在の「吾嬬神社」(墨田区立花1丁目区 1-15)のことです。また「連理の梓」は、今は枯れましたが
保存されている根元を見ればクスノキなのです。「樟*」を「梓」と見間違え語呂良く広まったと
思われ、その前に誰かが、『吾嬬の森連理の樟(あづまのもりれんりのくす)』とすべきなのですが、
広重は逝去、直後の明治の気運は西洋事物へ興味が向かい、誤記のまま定着したのでしょう。
*日本でクスノキに当てる漢字は、人名に多い「楠」と、この木から採取する医薬品の樟脳の字と同じ「樟」があり、
クスノキの名前の由来はクスリノキという説もあります。なを中国では「樟」を使い「楠」は別の木を指します。
吾嬬神社は、日本武尊(やまとたけるのみこと)の妃である弟橘媛(おとたちばなひめ)が入水し命がけで
嵐を鎮めた故事を偲び、流れ着いた遺品を祀ったと伝わり、創建は不明ながら正治元年(1199)に
鎌倉幕府第三代執権北条泰時が社殿を造営しましたが、弟橘媛を祀る神社は他にも多くあります。
東京は文京区の妻恋(つまこい)神社、台東区の熱田神宮、千葉は木更津市の吾妻(あづま)神社、
千葉市の蘇我比咩(そがひめ)神社、茂原市の橘樹(たちばな)神社、神奈川は横須賀市の走水神社、
川崎市の橘樹神社、鎌倉市の厳島神社、藤沢市の船玉(ふなだま)神社、二宮町の吾妻神社と何れも
関東に集中します。そのため昔から東国を「あづま」と呼ぶ起源とする説があります。
一方「連理」は諺の「連理の枝」でご存知の通り、別々の株の木の幹や二本の枝が接着する樹木の
成長過程の変化で殊更珍しい現象ではありませんが、昔の日本人は特に因縁を大事にしました。
日本武尊が弟橘媛を偲び、この場所に挿した二本の箸が「連理の木」となったという言い伝えは、
今では非科学的ですが、御神木として大切に守ってきた人々の優しい気持ちに共感を覚えます。
このように古代の物語を背景に描かれた静かな雰囲気が漂う絵ですから、目を引く名画がひしめく
「名所江戸百景」の中にあって、時代の変化から関心を持つ人が少なくなるのは止むを得ません。
江戸時代の庶民が「古事記」や「日本書紀」を直接読むことはなかったとしても、縁(えにし)ある
神社の存在と口伝で古(いにしえ)の物語を親から子へ伝えた時代に、浮世絵は庶民の常識や生活を
前提に作られた商品です。この絵へ寄せた当時の関心を想像して鑑賞して頂ければと思います。
明るく花咲く堤道は「吾嬬の森」の参道で折れ、近づくほど森の樹陰は濃く、静寂が広がり、鳥が
群れ飛ぶ赤い空は、境界も曖昧になる刻、人の動きも静かになる敬虔の念を伝える情景表現です。
ここでは摺りが異なる同じ絵を2枚並べました。右の暗い色調の方が初期の摺りと思われますが、
この絵の世界観を伝えています。右の明るい絵は遠くの景色や神社の様子の細部が分かります。
浮世絵は版元の指示で後の版の色を初版と変えることがありますが、それぞれに良さがあります。

歌川広重「名所江戸百景 吾嬬の森連理の梓(樟)」1856 Public domain
左:国立国会図書館公開サイト画像(PC色彩自動補整)
右:Wikipedia紹介のボストン美術館所蔵
縦横比は「深川木場」「深川洲崎十万坪」「亀戸梅屋敷」と同じ2:3、同じ横6等分x縦9等分の構図分割線を右の絵に
重ねます。緑の線は縦横三等分の三分割構図。画面下1/3に川と堤道を斜めに置いて視線を導き、右突き当たりの鳥居で
左に折れ、そこから参道と向かう社が中央1/3、上の線を地平線にした上1/3が空と遠景と、要素を整理し遠近感を出す
穏やかな俯瞰図です。一見何の変哲もないようでいて、構図を定める基本線に広重の熟慮と意図が現れます。また画面の
対角線(点線)が通る三分割線の交点へ視線が向かう法則通り「連理の梓(樟)」があり、画面全体の中心線(点線)
を引けば、中央平行線上左に「吾嬬の森」があり、構図法を熟知した意図的配置は明らかです。「逆くの字」の参道と、
分割線上の遠くの裏参道を黄色で目立たせ、画題の場所へと視線を導く、親切丁寧な意図のもとに制作されています。
最後に広重が参考にした可能性が指摘される「江戸名所図会」(斎藤月岑著 長谷川雪旦画 天保5-7年)
の「吾嬬森吾嬬権現連理樟」(あづまのもりあづまごんげんれんりのくす)を取り上げます。文章も付く
解説図で詳細を伝える第一級の資料は、同時代の広重を始め名所絵を描く絵師にも同じ筈です。
しかし見比べると、単なる引き写しでなく、横長の風景を縦長の竪絵構図にすべく要素を再構成、
また鑑賞絵画として入念に考え、色や位置を決めたこともすでに述べた通りです。画想が決まった
絵師は、文士が記憶や言語表現を事典で確かめるように丹念に調べます。他人が描いた絵や詳しい
図鑑が後に参考資料と判明しても、想い描く鑑賞世界を具現化して世に表すための資料ですから、
作者の姿勢が称賛されこそすれ蔑まれるものではありません。よく新発見の資料が発表されると、
先の絵が正当だと勘違いしますが、専門家も絵師が参考にした可能性を指摘しているだけで、
広重は現地のスケッチも多く描き残しました。芸術は感動なしに存在せず、自ら感動を否定する
必要がないことは、似た旋律が先にあると知っても、好きな曲は変えようがないのと同じです。
江戸名所図解.png
江戸名所図会「吾嬬森 吾嬬権現 連理樟」1834~1836 国立国会図書館蔵
参考文献:小林忠監修「浮世絵『名所江戸百景』復刻物語」芸艸堂 戸田吉彦著「北斎のデザイン」翔泳社
関連情報 🌲🌲🌲🌲🌲🌲🌲🌲🌲🌲 🌲🌲🌲🌲🌲🌲🌲🌲🌲🌲🌲🌲🌲🌲🌲🌲🌲🌲🌲🌲
林野庁 森林被害対策「山火事予防」
監修:松尾典子(元 NHKアーカイブ プロデューサー)
今年は年初から、米カリフォルニア州ロサンゼルス近郊と、岩手県大船渡市で山火事が発生し、
被害状況が連日伝えられ、鎮火後も続く被災地の困難や続く各地の山火事が報道されています。
近年世界各地で大規模な山火事が続き、地球温暖化による大気と地表の乾燥が原因と見る一方、
林野庁のデータは、毎年冬から春は山火事が増え、人為的な原因が多いことを伝えています。
原因は、下草が枯れ、落葉が積もり、燃えやすい物が林に蓄積、風が強く乾燥状態が続く中、
春になると入山する人が増えるからです。山火事の多くが、火の取扱いの不注意で発生します。
森林の大切さを常に認識し、「乾燥する季節は特に防火意識」を一層高める必要があります。
・枯れ草等、火災が起こりやすい場所では、焚き火をしない
・焚き火等、火の使用中はその場を離れず、使用後は完全に消火
・強風時、乾燥時には、焚き火、火入れをしない
・火入れを行う際は、許可を必ず受ける・火を使って遊ばない
・タバコは指定場所で喫煙、吸いがらは必ず消し、投げ捨てない
お問合せ先 森林整備部研究指導課森林保護対策室
代表:03-3502-8111(内線6214)
担当者:保護企画班 ダイヤルイン:03-3502-1063
日本で山火事はどの位発生? https://www.rinya.maff.go.jp/j/hogo/yamakaji/con_1.htm
山火事のおきやすい時期は? https://www.rinya.maff.go.jp/j/hogo/yamakaji/con_2.htm
山火事の直接的な原因は? https://www.rinya.maff.go.jp/j/hogo/yamakaji/con_3.htm
山火事予防に当たって注意することは? https://www.rinya.maff.go.jp/j/hogo/yamakaji/con_4.html
林野火災発生情報 https://www.rinya.maff.go.jp/j/hogo/yamakaji/con_5.htm
各自治体山火事予防対策HP https://www.rinya.maff.go.jp/j/hogo/yamakaji/con_6.htm
林野火災発生危険度予測システム構築業務 https://www.rinya.maff.go.jp/j/hogo/yamakaji/con_7.html
「林野火災発生情報」を見ると全国で発生しています。
過去2年間の林野火災発生情報(焼損面積10ヘクタール以上)
2024年/01/13 広島県江田島市/焚き火の不始末/消火まで4日余/焼損面積 約242.6ha(以下同様)
03/15 鹿児島県伊佐市/不明/約22時間/約28.3ha
04/20 岩手県宮古市/椎茸乾燥機の出火/約21時間30分/13.6ha
04/19 熊本県阿蘇郡高森町/野焼き/約8日間余/186.6ha
04/28 山形県高畠町/調査中/約3日4時間/約39ha余
05/04 山形県南陽市/調査中/約8日5時間余/137ha
2023年/03/08 福島県郡山市/不明/約2日20時間/約52.6ha
03/08 福島県白河市/不明/約5日間/約10.9ha
03/11 岡山県岡山市/焚き火/約46時間/10ha
03/12 兵庫県赤穂市/野焚き/約31時間/30ha
03/14 宮崎県日向市/不明/約3日間/12.3ha
04/04 北海道伊達市/枯れ草焼きから延焼/約18時間余/15.4ha
04/06 長野県埴科郡坂城町/廃材集積場から出火/8日余/27ha
05/02 北海道厚岸郡浜中町/林業機械から出火/7時間余/25ha
05/04 長野県諏訪市茅野市/不明/23時間弱/166.3ha
08/10 京都府京丹後市/ゴミ焼きから延焼/14時間余/約30ha
11/01 愛媛県大須市/タバコの不始末の可能性/7日弱/約13.3ha
12/04 愛媛県今治市/調査中/7日余/約13.5ha
「山火事と消火」に関する他のサイトも参考にして下さい。
・国際緑化推進センター消火 消火活動 | tpps https://jifpro.or.jp/tpps/conditions/conditions-cat04/f07/
・山火事の原因と事前対策3選|大船渡での支援活動や消火活動の課題も解説- EcoFlow(エコフロー)公式ブログ
https://blog.ecoflow.com/jp/wildfire-prevention/#:~:text=%E5%B1%B1%E7%81%AB%E4%BA%8B%E3%81%8C%E8%87%AA%E7%84%B6%E7%92%B0%E5%A2%83%E3%83%BB%E7%94%9F%E6%85%8B%E7%B3%BB%E3%81%AB%E4%B8%8E%E3%81%88%E3%82%8B%E5%BD%B1%E9%9F%BF&text=%E5%B1%B1%E7%81%AB%E4%BA%8B%E3%81%A7%E5%87%BA%E3%81%9F,%E3%81%AA%E3%82%8B%E3%81%AE%E3%81%8C%E7%89%B9%E5%BE%B4%E3%81%A7%E3%81%99%E3%80%82
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森の駅推進協議会は日本の森林産業を応援し、森と樹木の文化育成を目指して、
下記の活動を行っています。皆様の生活と仕事にお役立て下さい。
1「森の駅発メルマガ」発行:
日本の森と国産木材が生む健康な環境、良質な文化情報、社会的な関心を紹介します。
また、当会のフォーラム、研究会のお知らせもします。毎月1回発行。
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2「健康住宅/森の駅発」活動:
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3「市民フォーラム」開催:
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4 メルマガ・バックナンバー:
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