メルマガ162

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森の駅発メルマガ No.162

2023 February 如月 まだ寒さで衣を重ね着する衣更着(きさらぎ)月の名を意味する。
立春(2月4日)旧暦では一年の始まりで様々な節目の基準になり、立春後に吹く春一番が春の訪れです。
雨水(2月19日)降る雪も雨に変わる時期で、見えなくとも積雪の下では雪解け水が流れ出しています。

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目 次
・山小屋通信「冬のスケッチ」大森 明
・開発製品の紹介「森の恵:耐震健康シェルター命守(いのちもり)」市川 皓一
・園芸関連情報「NHK 趣味の園芸」編集部
・美術コラム「闇に在りかを問う 松村呉春の『白梅図』」戸田吉彦

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山小屋通信「冬のスケッチ」大森 明


今年の冬は東京近郊でも寒さが厳しいが、空気が澄んでいる日には遠くまで景色がよく見える。
そこで数回スケッチに出向き、まず山々の上に顔を出した真っ白い富士を遠望する風景を描く。
多摩川の土手(東京側)から富士山がきれいに見えると聞き、どれどれと現地に出向いて描いた
ものである。確かに富士山がよく見え、前衛にある山々の上に真っ白な安定感のある姿をどーん
と見せていた。日本最高峰の山だけのことはある。

次に描いたのは、身近にある樹木の実や草花。まずは柑橘系のハッサクの果実。当方は防寒着に
手袋にマフラーに冬用ブーツといういでたちで、何とか寒さをしのいでスケッチしているのに、
ハッサクの樹は真冬に立派な黄色い大きな果実を堂々とぶら下げて、なんだか元気に見える。
寒いので2~3分でスケッチをさっと終え、細かい描き込みは室内で行った。

もう1つは寒咲アヤメの花のスケッチ。その名の通り1月~2月頃に綺麗な花を咲かせるアヤメ。
今回は腰痛のためにかがむことが辛いので、上から見下ろして描いたがどうも雰囲気が出ない。
やむなく今回は、以前しゃがんで低い位置からスケッチした、過去作を掲載させてもらった。
冬のスケッチも、天気が良ければ気分転換にもなり、いいものだ。

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開発製品「森の恵 : 耐震健康シェルター 命守」市川 皓一(一級建築士)

耐震健康シェルター「命守(いのちもり)」は、青森県銘木青森ヒバの住宅設計に携わり
多くのメディアに紹介された当会の市川が、企画・設計した個室タイプの耐震製品です。
全国自治体補助助成金制度対象。S家様(都内豊島区目白)では92歳の御祖父様のため、
助成制度をご利用。香り良く寝心地抜群で、いざという時は安心と喜ばれています。
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メルマガ読者対象特別価格 80万円 (杉使用・加工済み部材部品価格・税別)
施工費はご要望を伺い別途お見積りします(一般的参考総額 上記部材費込み約150万円)。
※設置面責は、通常の木造住宅内で約「3.2帖」必要です。
ご用命・ご相談 090-3229-5678 市川(青ヒバの会・市川総合設計室)

◆ 必要に応じ様々なオーダーメイドに対応。
・平時リモートワーク・オフィス→セキュリティ→扉に施錠
・平時オーディオルーム・楽器演奏室→遮音→防音防振
・平時自宅介護室→上下水道→便器洗面用配管&防水二重床
・平時ガーデンルーム→防水・採光→防水外壁&屋根と窓ペアガラスの屋外仕様
※気密性が高まる場合は、換気装備を設け室内を静圧に保ちます。
◆ 耐震健康シェルター『命守』。好評の3大理由。
1. 森の駅推進協議会 健康住宅研究会開発の「信頼」設計。
「全国自治体補助助成金制度対象」 は、公的機関が認可した優良設計の証。
・平成29年度東京都市整備局認定/安価で信頼できる木造住宅「耐震改修工法・装置」に認定
・全国自治体の建築指導課及び建築防災課認定/「命守」の補助助成に関し認定する旨の通知
・平時は書斎や寝室に使い、災害時はそのまま避難先となり滞在できる「独立空間設計」
2. 公的機関が保証した「大型地震の時も安心な」耐震強度。
「公的機関認定の耐震防災シェルター”」と言えるのは、政府・自治体認定の証。
・阪神淡路大震災級強振に連続4回耐え公的耐震実験を1回で通過する驚異の「耐震強度」
・都内17区8市で助成金制度対象に指定・都内耐震キャンペーン三年連続出展の実績
・東京国際展示場リフォーム展に連続出展・令和元年8月9日シェルター意匠登録(第1640335号)
3. 樹精の高い抗菌性がもたらす「健康空間」は寝室や書斎に最適。
「樹精の抗菌性」でストレスが緩和し睡眠や学習に有益な国立大学の実験結果。
・九州大学大学院の実験による、脳を活性化し集中力や記憶力に良いエビデンスがあります。
・抗菌性が高い国産杉、ヒノキ、青ヒバの効能・効果を高めるため、無垢材で使用します。
・マンションの中にも設置できますから、都会でも「山小屋気分」を味わえます。
◆ 国産材使用の「日本の森林資源の有効活用」は持続可能な経済活動に貢献しています。
◆ 工務店・販売協力店の皆様へ。『命守』名以外での販売にも応じます。「組立工程」撮影の編
集動画や「フレーム強度」を測る実験画像等『販売協力店専用DVD』用データも提供。

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園芸関連情報
「NHK 趣味の園芸」

シーボルトも欧州へ日本の花を沢山持ち帰ったほど、江戸時代から日本の園芸は世界一ですが、
今も植木いじり、庭いじり、ガーデニングと言葉も豊富に、植物の世話が好きな国民性です。
そして園芸好きな人々にお馴染みのテレビ番組が、50年の歴史を持つ趣味番組「趣味の園芸」。
NHK(日本放送協会)が1967年4月9日に放送開始以来、初心者からベテランまで、広い視聴者
を対象に、毎回季節の花や植物を取り上げ、育て方や管理法について実技を交え解説しています。
また時々全国各地の園芸イベントを紹介レポートする公開収録も行い、関係者は見逃せません。
当初は総合テレビで始まりましたが、1991年より教育テレビ(Eテレ)で放送しています。
・本放送/Eテレ・毎週日曜午前8時30分 
・再放送/Eテレ・毎週水曜午後1時05分とEテレ・毎週金曜午後9時00分

・「趣味の園芸」放送予定の案内サイト
https://www.nhk.jp/p/syumi-engei/ts/WJ9WG8YL24/schedule/

番組の文字情報、テキストとして、NHK出版から月刊「みんなの趣味の園芸」が発行され、
質問、投稿ができるNHK出版の同名コミュニティサイト「みんなの趣味の園芸」もあります。

・「NHK出版 みんなの趣味の園芸」
NHK出版 みんなの趣味の園芸は、NHKテレビ番組のテキストで、交流コミュニティもあります。
毎月21日を目処に全国書店で発売(一部地域は発売日が異なります。) 
定価640円(本体582円+税10%)
・購読案内サイト
https://www.nhk-book.co.jp/detail/text-06457.html?utm_source=nhk&utm_medium=www.nhk.or.jp&utm_campaign=nhkgoodsdb&utm_content=engei

・交流コミュニティ案内サイト
https://www.shuminoengei.jp/?utm_source=link&utm_medium=link&utm_campaign=nhkonline


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美術コラム「闇に在りかを問う 松村呉春の『白梅図』」戸田吉彦


松村呉春筆「白梅図屏風」絹本墨画淡彩(浅葱染の絹に墨画)六曲一双(上左、下右)1789年頃 重要文化財 逸翁美術館蔵

 一年で最も寒いこの時期は、合格祈願の受験生で賑やかな全国の天満宮に梅の花が咲きます。
ここに学問の神様として祀られた菅原道真(845-903)を慕う古の人の心は、京から道真を追い
一夜で太宰府へ飛ぶ太宰府天満宮の「飛梅」伝説や歌舞伎の「菅原伝授手習鑑」を生みました。
巷も梅の季節になると、道真が太宰府へ向かうにあたり庭の梅と別れを惜み和歌を詠んだ故事が
語られ、先人を偲ぶ大切さとともに現在まで人口に膾炙(かいしゃ)した歌があります。それが
有名な「東風(こち)吹かば にほひおこせよ梅の花 主(あるじ)なしとて春を忘るな」です。

 ところで梅の絵は鶯との組み合わせが普通ですから、夜の梅は戸惑うのではないでしょうか。
描いた松村呉春(ごしゅん1752-1811)は子規の「蕪村忌に呉春が画きし蕪(かぶら)かな」に
登場する俳諧と文人画に優れた与謝蕪村の弟子です。蕪村の死後に円山応挙に写生画を学びます。
その後描かれた「白梅図」は、蕪村の辞世の句「しら梅に明る夜ばかりとなりにけり」を呉春が
絵解きして師を偲んだと言いますが、応挙に学ぶ呉春を変節と誹る矛盾した人物評もあります。
辞世の句にこだわる解釈は、道真の梅の和歌「主なしとて…忘るな」を思わせて意図的です。

 呉春は京都金座年寄役の家に生まれ、長じて金座平役となり、この頃贋金を瞬時に見破る技を
見せます。器用で余技も習得早く、絵と俳諧を始めると蕪村から絶賛され月渓と名乗りました。
京の名妓はるを娶るとやがて職を辞し風流の道に入ります。後年呉春を世渡り上手と誹る声は、
天賦の才と恵まれた環境への妬みでしょう。29歳の時に愛妻を、続いて父を喪い、剃髪のため、
蕪村の世話で摂津の池田に移住し、翌年春、池田の古名である呉服里(くれはのさと)にちなみ
呉春と改名しました。池田で唯一今に残る銘酒「呉春」は谷崎潤一郎が愛したそうですが、その
蔵元の創業は江戸時代中期ですから、里人と呉春の滞在中の交歓の歴史が想像できます。

 翌年蕪村が亡くなり、呉春は「陶淵明画賛」(逸翁美術館蔵)や蕪村の句集に挿絵を描き遺児を
助けます。 その3年後には但馬大乗寺の円山派の仕事を手伝っています。呉春の腕前を聞いて誰が
声を掛けたか分かりませんが、さらに3年後京に戻ると応挙の前へ挨拶へ行き入門を申し出ます。
呉春の腕と人物を知る応挙は友人として遇したそうです。共に礼節を尽くす逸話です。蕪村の南画
に応挙の画法を加えた呉春の絵は人気を博し、四条派と呼ばれ今に続く系譜となります。

 呉春の名声が上がると仙境に生きた蕪村への背信だと言う悪口が流れ、今もそれを心配する人
がいますが、謹厳実直な応挙が、呉春を高く評価している以上つまらぬ悪口です。四条派時代の
代表作が大乗寺の「耕作図」と妙法院の「山水図」、この「白梅図屏風」(逸翁美術館蔵)です。
逸翁美術館に呉春作が多いのは、池田を終の住処とした小林一三(阪急電鉄創始者、宝塚歌劇場
創始者)が、絵画や茶器など幅広くコレクションし、中でも呉春と蕪村の作品が数多くそれらが
阪急文化財団逸翁美術館に引き継がれたためで、今もよく「呉春展」が開かれています。

 また「夜の梅」で羊羹を連想する人は和菓子通です。虎屋では元禄7年(1694)の製法古文書
に記され、駿河屋では万治元年(1658年)に六代善ヱ右門が発明した、現在の寒天を使う煉羊羹
の始まりを「夜の梅」としています。なぜ「夜の梅」と名付けたかを問うと羊羹に透けて見える
小豆が、夜の梅の「見立て」になるそうです。謎かけで心を問う「見立て」は、知恵を巡らす知
の遊びであり熟練者のこだわりでもあり、建築から手工芸の世界まで古くからある美意識です。

 呉春の白梅図も、師の辞世の句の先に、古の雅を想像すればまた別の世界が開けるでしょう。
平安時代三十六歌仙の一人、凡河内躬恒(おうしこうちのみつね)の「月夜にはそれとも見えず
梅の花 香をたづねてぞ知るべかりける」(月夜にそれと見分けられぬ梅の花は、香りを探し訪ね
てこそ分かる)や、「春の夜の闇はあやなし梅の花 色こそ見えね香やは隠るる」(春の夜の闇に
筋が通らない梅の花、色は見えないのに香りは隠れないではないか)などは闇に梅を訪ねる和歌
です。「色見えで春にうつろふ心かな 闇はあやなき梅のにほひに」と藤原定家も詠っています。
蕪村が生前に作った、「梅が香の立ち上りてや月の暈(かさ)」も同じく夜の梅の世界です。

 今や木の文化が消え、檜や杉の香りを異臭と感じる子供もいるそうですが、梅も闇夜に訪ねて
楽しむ風は絶えて久しくなりました。呉春は江戸三大俳諧と称えられた蕪村の弟子です。蕪村の
死後に応挙の画風も学び、独自の画風を確立した呉春が描いた夜の梅。たとえどこにあろうと、
師が求めた美意識をまた自ら意識する道にこそ、師も喜ぶと信じていたに違いありません。

ウメ(学名:以前はアンズ属とされ Armeniaca mumeだったが現在はサクラ属スモモ亜属のため Prunus mume )
バラ科の落葉高木。和名の発音が学名に付けられたが原産地は中国(梅 mei )。樹木と花は観賞され食用果実をつける
品種は実梅とする。日本と中国は古くから「松竹梅」と言って尊び、茨城県の水戸偕楽園を始め日本各地に花見の名所
の梅林がある。家紋絵柄にも梅鉢紋など古くから登場。茨城・大阪・和歌山・福岡・大分の県花・県木。台湾の国花。
天平2年(730年)の正月に大宰帥の大伴旅人が「梅花の宴」を開いて梅花を題に32首の歌が詠まれ、『万葉集』巻五
に収録された。現在の元号の『令和』はこの梅花の和歌集の序文から採られた。漢籍に拠らぬ初めての元号である。

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森の駅推進協議会は、日本の森林産業停滞の解決へ向け、森の駅発と称して、
下記の活動を行っています。ご参照の上お役立て下さい。

1「市民フォーラム」開催:
日本の森と日本の森が産み育てる国産木材、それを活かす健康な住環境をはじめ、
生活者の目線で市民の皆様の理解をすすめる講演会を広範囲な視点から企画開催。
内容や開催日など当メルマガ(下記3)でお知らせします。

2「健康住宅/森の駅発」の活動:
日本の森を元気にする!住む人を元気にする!住まいづくりのため集まった
プロ集団が「森に愛される家」を普及します。イベント情報もお届けします。
https://moriniaisareruie.jimdofree.com/

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