メルマガ144

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森の駅発メルマガ NO.144
2021 August

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山小屋通信「八ヶ岳のダケカンバ」大森 明
美術コラム「スイスが誇る国民画家ホドラー」戸田 吉彦
製品案内「国産材で造るテレワーク・シェルター」市川皓一

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山小屋通信 「八ヶ岳のダケカンバ」 写真・文/大森 明

(1)八ヶ岳のダケカンバ.png


先日、南八ヶ岳エリアにある西岳・編笠山を周回した。
新型ウイルス禍のもと、登山隊は少人数編成(2名)でマスク・消毒液を持参。
早朝に首都圏を車で出発し、途中のサービスエリアや道の駅などには寄らずに
登山口駐車場へ直行。夕刻までかかったが日帰りで周回登山できた。
今回の登山テーマは山頂で風景画を描くこと。
近年、当方の絵や木工作品を欲しいという方が出てきて、創作意欲が上昇。
夏山の絵を描いて売ろうという欲望に突き動かされた次第だ。
そんな欲望がちっぽけに思えるくらい雄大な八ヶ岳連峰のスケッチを終えて下山途中、
樹林帯で樹種不明の見慣れない巨木を見つけた。

ひと抱えくらいの太い幹は樹皮がベロベロ剥がれ、
枝は不規則にうねってやはり樹皮がむけている。
森の中の光の加減か、幹や枝は濃いグレーに見えた。
メタリックなオブジェといった感じにも見える。
樹高が高く見にくかったが、葉を見ると落葉広葉樹のようで、葉はハート型をして鋸歯がある。
先を急ぐので幹と葉を撮影して下界に戻ってから調べると、
なんとダケカンバの巨木だと判明した。
今まで当方が見てきたダケカンバは確かに樹皮はむけているが、
白っぽくて白樺に似た木という印象だった。
ダケカンバも年数を経て大木になるとこんな迫力満点になるのか!と驚嘆した。

今回知ったのだが、ダケカンバは漢字で「岳樺」と書く。
シラカバ(白樺)と同じカバノキ科カバノキ属の落葉広葉樹で、
シラカバより標高が高い場所に分布するといい、「岳樺」という名前にも納得した。
ちなみに、むけた樹皮は天然の着火剤になり、
材は家具・内装などに利用されて美しい光沢が出るという。
機会があれば、樹皮の燃え具合と材を木工作品にして美しい光沢をぜひ確かめたいと思う。

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美術コラム「スイスが誇る国民画家ホドラー」戸田 吉彦

(2)ホドラー.png
左上:1894年「選ばれしもの」 左下:1911-58年発行スイス国立銀行紙幣50フラン 右:1910年「木を伐る人」


 風景明媚なスイスは、乳製品や精密機械時計、秘密厳守の銀行、ウィリアム・テルに象徴され
る永世中立国として知られ、日本でもアニメ、アルプスの少女ハイジの舞台として人気があります。
 そのスイスと日本の国交樹立150周年を祝い、スイスの国民画家ホドラーの展覧会が、2014年
から翌年にかけ、国立西洋美術館と兵庫県立美術館で開催されたのも記憶に新しいところです。
 展覧会の挨拶には、「精神性の高いホドラーの作品は、混迷した現代の人々、とりわけ阪神・
淡路大震災から20年を経て力強く復興してきた兵庫県民に、新たな関心と感銘を呼び起こすもの
と期待される」と紹介されました。

 フェルディナント・ホドラー(1853-1918)は、19世紀末から20世紀へ変わる不安な時期の
心象を、個性的表現と装飾性で人物の群像を描いた、象徴主義の画家として美術史に名を残し、
晩年は故郷スイスの風景を明瞭に秩序立てて描いて見せた、スイスを代表する画家です。
 近年世界中で空前のブームを迎えている日本の北斎も、「北斎漫画」の人物活写で注目され、
晩年の「冨嶽三十六景」で日本を代表する画家と認められ、画業の足跡が似ています。また、
北斎の作品の多くが海外にあるのと同様、ホドラーの絵も彼を最初に認めたフランス始め、他国
に散逸していましたが、近年自国が誇る画家としてスイス政府は熱心に作品を買い集めています。
日本でも、倉敷の大原美術館に「木を伐る人」が所蔵され、早くから注目して来た画家です。

 この「木を伐る人」(右の画像)も、一見写実的ですが、ホドラーは「力」という題名にした
かったそうで、斧を力強く振り上げ両脚を大きく開いて立つ姿を強調した、明快な構図から強い
緊張感が伝わる象徴的絵画です。元々はスイス国立銀行から依頼された紙幣のデザインの構想で、
この絵から生まれたデザインは、その後50フラン紙幣(左下の画像)に長く使われました。

 ホドラーが生まれたのは、スイスの首都ベルンの大工の家の長男でしたが、8歳までに父親と弟
二人を結核などで次々と亡くし、装飾美術職人と再婚した母も1867年に結核で死去、残った弟も
全て結核で喪いました。まだ幼かったホドラーが、家族の遺体を荷車に乗せて運んだそうです。
貧しく頼る者もいない中、彼の心に不安や孤独が深く植えつけられた事が想像出来ます。
 しかし義父から受けた絵の手ほどきは、自立し生計を立てる道を開き、その後ドイツ人の画家
にも習い、看板や観光客相手の絵を描き始め、やがて「落穂拾い」で有名なミレーに代表される
バルビゾン派やコローの絵から技巧だけではない絵画に目覚め、ジュネーブの美術学校に入学、
基礎を学ぶとスペインへ行き風景や女性を描き、明るい色彩と力強い画風を身に付けます。
 彼の名を知らしめた『夜』(1890年)は、眠る男女の群像の中で、上に被さる得体の知れない
黒い物に男が気づく絵です。この不安な男はホドラーの自画像といわれますが、表現が大変強い
ため母国の展覧会に出すも拒絶されます。しかし翌年フランスのサロンに出品するとその才能が
高く評価され、世紀末象徴主義の画家として以後クリムトと並ぶ存在になります。

 「選ばれしもの」(画像左上)は、苗木を前に座る少年の周りを、天使のような多くの女性が
囲んで祝福を与え、幼児から長く続いた不安からようやく解放されたホドラーの、喜びと希望が
現れています。その後、20歳も年下の女性と結婚した時には50歳を超えていました。故郷の風景
と人物を描き、母国から紙幣のデザインも依頼されようやく幸せな日々を手にしますが、愛妻を
癌で失うと間も無く65歳で亡くなりました。しかし厳しい環境にめげず、向上心と努力で仕事に
精を出し望む家庭も手にしたホドラーを、スイスはついに自国が誇るべき画家と認めたのです。

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(3)文字入り命守.png

感染症予防対策でテレワークと在宅勤務が定着し、
最近は自宅内にワークスペースを確保する方々が増えています。
同時に日本で必要のは、「地震・災害への備え」です。
この二つを一緒に解決してはいかがでしょうか。
テレワークの書斎が災害時の避難シェルターになります。

森の駅推進協議会・健康住宅研究会が開発した防災シェルター「命守(INOCHIMORI)」は、
書斎として普段は使用し、災害時にそのまま避難・滞在できる、独立空間設計です。
耐震強度は、阪神・淡路大震災級の強震を連続4回繰り返す「公的耐震実験を一発通過」、
全国自治体補助助成金制度の対象に認定され、数々の公的機関が認めている優良設計です。
さらに国産杉をはじめ、ヒノキや青ヒバなど無垢材で造るので「樹精の抗菌性」が心地よく、
心的ストレスの緩和、脳の活性化、集中力や記憶力も高まります(九州大学実験結果)。
設置に必要なスペースは通常の木造住宅で約3.2帖。
マンション内に設置すると森の山小屋にいる気分です。

■特別価格80万円(加工済み部材価格・施工費別)
■ご相談ご用命先:市川総合設計室<青ヒバの会> 090-3229-5678 市川皓一。

様々な仕様にできます。
■扉の施錠等セキュリティ強化仕様 
■防音防振で遮音性を持たせた仕様/オーディオルーム・楽器演奏室等
■トイレ、シャワー等配管施工&防水二重床で、水廻りを装備する仕様/自宅介護室等
■防水仕様の外壁・屋根部材と開口部ペアガラスで屋外仕様/ガーデンルーム等
■上記いづれも気密性が高まるので換気装備を設け、室内を静圧に保ちます。
公的機関が認定した防災健康シェルター「命守」の実績の数々。
■ 平成29年度東京都市整備局が認定する、安価で信頼できる木造住宅の「耐震改修工法・装置」に認定。
■ 東京都内17区8市において、設置における助成金制度対象シェルター。
■ 全国自治体の建築指導課及び建築防災課から「命守」の補助助成に関して認定する旨の通知。
■ 東京都内における耐震キャンペーンにおいて三年連続出展。
■ 東京国際展示場(ビックサイト)のリフォーム展に二年連続出展。
■ 令和1年8月9日特許庁においてシェルターの意匠登録(第1640335号)
工務店・販売協力店への販売もいたします。
■商品名の『命守』は防災を強調していますが、ご要請次第で、『テレワーク・シェルター』、
『ワークキャビン』、『森のシェルター』等、販売店独自のネーミングを使用できます。
■組立工程を映像化した動画をまとめ、スペースフレームの強度を見せる破壊実験も画像化し、
販売協力店にDVDをご提供します。

□写真・記事:編集部

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森の駅推進協議会では、日本の森林産業停滞の解決へ向け、森の駅発と称し、
下記の活動を行っています。あわせてご参照の上お役立て頂ければ幸いです。

1「市民フォーラム」開催:
日本の森と日本の森が産み育てる国産木材、それを活かす健康な住環境をはじめ、
生活者の目線で市民の皆様の理解をすすめる講演会を広範囲な視点から企画開催。
内容や開催日など当メルマガ(下記3)でお知らせします。

2「健康住宅/森の駅発」の活動:
日本の森を元気にする!住む人を元気にする!住まいづくりのため集まった
プロ集団が「森に愛される家」を普及します。イベント情報もお届けします。
https://moriniaisareruie.jimdofree.com/

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フォーラムや研究会のお知らせを、原則として毎月1回発行しています。
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