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「森の駅発」メルマガ NO.128 2020 April
新型肺炎流行の昨今、くれぐれも感染予防にご留意ください。森の駅推進協議会一同
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C・O・N・T・E・N・T・S
★樹木関連美術レポート「レンブラントの三本の木」 戸田 吉彦
★山小屋通信「木のおもちゃ(動物編)」 大森 明
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樹木関連美術レポート「レンブラントの三本の木」戸田 吉彦
折からの疾病予防対策で博覧会も美術展も延期と中止が相次ぎ身動きならぬなか
高校生の時に目にしたレンブラントの展覧会の銅版画をなぜか思い出している。
その時の図録を出すと開催時期が1968年4月初旬から5月中旬と分かり
半世紀をへだて思い出したのが同じ4月とは偶然だった。
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図録によれば主催後援は、東京国立博物館、京都国立博物館、日本経済新聞社。
エルミタージュ美術館はじめ大英博物館など海外多数の美術館館の協力。
時代背景や主催者等から日本初のレンブラントの本格的な展覧会かと思う。
そしてその後この小さな絵も今に続くレンブラント展で度々取り上げられている。
50年前の国の展覧会で目にした時には海外美術館の所蔵品だったが
今では国立西洋美術館が所蔵し国内の展覧会に出展している。
銅版画ゆえ同作品は複数ありレンブラント母国のアムステルダムはじめ
ベルリン、ボストン、ロンドンなど有名美術館に所蔵されている。
当時の図録には解説文も載らなかったその他大勢の作品のひとつだったが
最近ではレンブラントの風景版画を代表する作品のひとつとして紹介される。
その時に絵葉書を買うほど感動した16歳の判断は正しかったのだが
制作したレンブラント自身の理解を深めたのはもっと後年だった。
レンブラント・ファン・レインは1606年オランダのライデンに生まれ、
1669年アムステルダムに没し63年の生涯のうち、40年が画家としての人生。
25歳の時「トュルプ博士の解剖学講義」で若くして名声を得、28歳で結婚。
しかし36歳で妻を失い、以後たびたび訪れる不運と不幸に悩まされる。
この絵はその最愛の妻を失った翌年に完成。 A4とほぼ同じ大きさの小品である。
レンブラントの銅版画の多くはスケッチのような風景画で細部が省略されるが、
このようにエッチングとドライポイントを駆使する手の込んだ作は宗教画にある。
またこの作品は、主題の三本の木が立つ丘の描写や空の嵐が来るような表現に
様々な感情や情報が込められ、大きな油彩画に負けない力がある。
遠く家畜が点在し、水辺は夫の釣竿の先をみる妻、草叢では男女が愛を語らい
丘の上には絵を描く男が見え、レンブラントの記憶と願望が込められた気がする。
同じ年、今ではオランダの国宝と言われる大作「夜警」が完成する。
しかし依頼主たちからは不評を被り以後は描く人物の内面表現が顕著となり、
絵は売れず経済的に困窮し50歳で破産宣告を受け財産が競売に出される。
レンブラントの作品は若い時に名声を得た写実的で立派に見せる肖像画から離れ
ますます内面的世界へ向かい最後は世間的不遇のうちに人生が終わる。
しかしオランダの黄金時代が終わった後、世界は不世出の画家だったと悟る。
襲いかかる人生の嵐の中で信じるところに従った毅然とした決心。
度々画題とした丘の上の三本の十字架を意識したのかまではわからぬも、
この絵は時代を越えて何かを語りかけ、見るものに寄り添う優しさを感じる。
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山小屋通信 「木のおもちゃ(動物編)」 大森 明
「不要・不急の用事」というフレーズを聞くと、
用事どころか齢を重ねてきた自分の存在自体が
そもそも不要なのではないかという思いが脳裏をよぎる。
こんな思考はイカンということで、
身近にいる学校や幼稚園に行かれない子供向けに
木でおもちゃの動物を作ることにした。
対象ユーザーを幼児層に置き、
彼らに人気のある動物のうちからパンダ、ペンギンを選定。
さらに個人的に思い入れの強いフクロウを加えた
3種類の動物を木で作ることにした。
材料は枝打ちや剪定作業で出た木の枝。
割れや虫食いが無ければOK。
ノコギリとナイフで切って削っていく。
構造と形状は安全性(幼児の怪我防止と有害物質抑制など)と
強度を重視した結果、どれもズングリ型・ゆるキャラ風になった。
また、木によく見られる茶色のフシをそのまま生かして
パンダの目やフクロウのくちばしに転用したり、
木の皮を部分的に残してフクロウの羽毛に見えるようにしたり、
木の自然な感じを活かすことを考えた。
ただ、木の感じを残すべく塗装を控え目にしたかったが、
ペンギンは塗装面が他の動物に比して多くなり、
もっと良い方法がないか思案中だ。
試作品を性能試験担当の幼児たちに見せたところ、
ペンギンについては当初低評価だったが、
最終的には喜んで受け取って遊んでくれているので
今のところ評価はまあまあのようだ(ただいま強度試験中)。
これで多少なりとも幼稚園に行かれない幼児の木育、
もしくは退屈しのぎになればと思う。
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森の駅推進協議会では、日本の森林産業停滞の解決へ向け、森の駅発と称し、
下記の活動を行っています。あわせてご参照の上お役立て頂ければ幸いです。
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1「市民フォーラム」開催:
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生活者の目線で市民の皆様の理解をすすめる講演会を広範囲な視点から企画開催。
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