自然材と無垢材と集成材

無垢材とは柱や梁や床に使用するため、伐採してきた木材をカットしただけのものです。
無垢材は乾燥させることによって、家を建てるための建材として使用することができます。
乾燥方法には天然乾燥、低温乾燥、高温乾燥がありますが、高温乾燥を長時間行うと、木の組織にダメージを与え、内部割れなどの元となるだけでなく、木の香りの元となる樹精をとばしてしますため、香りはほとんどしなくなってしまいます。
長時間の高温乾燥を行った木材を除いて、乾燥した無垢材を、私たちは自然材と呼ぶことにしました。

これに対して、集成材は一度木材を小さな材料に切ってしまい、それから接着剤で貼りあわせて柱や梁に成型したものです。

自然材は乾燥が不十分だと、反ったり割れたりしてしまう場合があります。また湿度によって伸びたり縮んだりします。したがって経験豊富な大工さんでないと上手に使うことができませんでした。

しかし、集成材では複数の材をいろいろな向きで貼り合わせるため、変形しにくいという利点があり、大きな空間を作るにも大変便利です。
効率よく材木を加工できるという利点もあります。
最近ではプレカットが主流になり、大工さんとしての経験が無くても、短時間で組み立てることができるようになりました。

大手住宅メーカーでは大半が集成材です。
多くは外材でしたが、最近では国産材でも集成材が増えています。
しかし、集成材だけが増えても、使われるのは辺材ばかりで、心材(中心部)は使用されないのです。

また集成材の場合、接着剤を貼りつける際に100度以上の高温で処理することになるので、木の本来の組成が変わってしまいます。
呼吸しない木、調湿機能の乏しいものになってしまうのです。

木の香りも失われてしまいます。
木の香りの中にはフィトンチッドという樹木を発散する天然の化学物質が含まれていて、森林浴(森林セラピー)はこれに接することにより健康を維持する方法ですが、フィトンチッドには健康だけでなく、心に癒しや安らぎを与える効果もあります。
家の中で自然材に囲まれた暮らしをおくることを、私たちはウッドセラピーと呼ぶことにしました。

また、本来の木が持っている暖かさや肌触りの良さが、パサパサになって薄れてしますようです。このことは高温乾燥の無垢材も同様です。

また、接着剤は燃えると有毒ガスを出します。
揮発する量は少ないかもしれませんが、シックハウスの原因にもなります。
フォースター(ホルムアルデヒド放散等級最上位)だからといって決して問題ないわけではないのです。
古い集成材の中には、時間がたつと、湿気で接着力が衰え、はがれてしまうものもありました。

そういったことから、最近ではフローリングなどで無垢材の人気が増しています。