森から生まれた日本の文化

私たちは森の民~森から生まれた日本の文化

私たちのルーツをたどってみたら、貴重な森の恵みと誇れる豊かな文化がありました。

●森の文化は素晴らしくエコロジー
日本の文化は、木の文化とよく言われます。石の文化、鉄の文化が自然破壊的なのに対し、木の文化はエコロジーそのものです。

その理由は
・木は、石油資源を使うことなく太陽エネルギーで二酸化炭素を固定しながら材木となりますから、森を育て木を長く使えば使うほど温暖化防止になります。
・また、廃棄時も循環出来る材です。さらに日本は、古材を使う風習があり、それは究極のエコロジー文化でもありました。

しかし、現在の日本においては、家は作り破壊していくものに変わりました。
ゴミの処分場の許容量も限界! 特に建築の産業廃棄物は大きな問題です。
さらに、合板や外材などによるシックハウスのやシックスクールの問題等も深刻になってきています。

●森から生まれた文化は豊か
森と人間の深いつながりは、神話の時代から途切れることなく続いてきました。
豊かな漁場や稲作などの食物生産、豊かな生活文化を育んできたのは、森でした。稲作が定着する以前も以降も、生活のベースは森が中心だったのです。

たとえば、
・木の実、キノコ、山菜、薬草、動物などの捕獲は、森や森の周辺部で行われてきました。
・焼畑による雑穀の栽培は、広葉樹の森を燃やした灰を栄養分として行われてきました。
・稲作に欠かせない水も、森林が保水し生み出した湧き水を起源としています。
・長い海岸線に沿って夥しい魚介類が生息することが出来るのも、森が葉などを落とすことによってその栄養が地面に、川からやがては海にもたらされるためです。
日本に豊かな森が存在することこそが、文明、文化が発展してきた理由であり、日本人の命の起源であるとも言えます。

●森の文化は奇跡的条件から生まれた
日本の国土の3分の2を占める豊かな森を育む重要な条件はモンスーン気候で、それに地理的な環境などが加わって独特な植生を作り上げてきました。地球上で、亜熱帯から亜寒帯までの連続した植生の変化が見られる地域は、日本を含むユーラシア大陸の東側地域しかありません。近年の大陸の大規模な森林破壊により、日本だけが唯一の連続帯である可能性もあります。日本は、このように奇跡とも言えるような森によって支えられてきた豊かな自然の産物に恵まれてきた国なのです。