森林・林業基本計画(平成23年7月策定)において今後の政策の基本的な考え方が示され、国会に報告されましたが、その内容をわかりやすく整理してみました。
1.国産材の生産コストが高いため、2009年の木材自給率は28%にすぎない(2002年の18%からは大幅に改善、製材用材が44%、パルプ・チップ用材が17%、合板用材が24%)。
これを2020年に50%に引き上げることを目標にする。
2.今までは主に森林組合を対象とした施業単位の補助金を中心に政策を進めてきたが、失敗だった。
未利用の間伐材(切り捨て間伐)等が年間2,000万㎥も発生し、生産コストの低減にも結びつかないケースが多かった。
3.まず木を伐採し、運ぶための林道の計画的な整備がなされていなかったので、整備を加速化する。
4.地域主導の取組を推進し、長期的・継続的な森林経営計画を立てたところを直接援助することとし、今までの森林組合優遇の形をやめ、コスト競争力の強化をはかる。
5.現場技能者に加え、市町村や森林所有者への指導ができるフォレスター、森林経営計画作成の中核を担う森林施業プランナーの育成をはかる。
6.森林を支える山村の振興をはかることで、林業従事者を増やす。そのため都市の若者の山村への定住を促進する。
7.木材の川上から川下のマッチングを進めるとともに、乾燥や強度などの品質・性能の確かな製品の安定供給をはかる。
8.公共建築物の木造化や木質チップやペレットなどの燃料利用を推進することで、国産材の利用を促進する。
9.消費者等の理解を醸成するため、木材製品の環境貢献度を評価・表示する「見える化」や環境に関心の高いNPOや企業のネットワーク化等を推進する。