平成17年2月16日に京都議定書が発効し、この中で、我が国は、第1約束期間(2008~2012年)に、1990年と比較して温室効果ガスの総排出量を6%削減することを国際的に約束していますが、2008年度では逆に1.6%の増加となっています。
京都議定書では、森林によるCO2の吸収量を温室効果ガスの削減目標の達成手段として算入できるものとされています。その対象となる森林は、下刈や間伐といった手入れがきちんと行われた森林であること等が基本的な条件となっています。
政府は、京都議定書が発効したことを受け、京都議定書目標達成計画を平成17年4月28日に閣議決定しました。この中で、我が国の削減約束6%の達成に向け、1,300万炭素トンを国内の森林によるCO2吸収量により確保することを目標としています。この1,300万炭素トンは、我が国の削減約束の6%の約3分の2に当たる3.8%に相当します。
しかしながら、我が国では、林業の採算性の低下等から、森林所有者の森林整備に対する意欲が減退し、間伐等が行われていない森林が増えており、現状のままでは確保できる吸収量の目標を達成することは難しいと見込まれています。人間の手によって植えられたヒノキやスギ等の人工林は、手入れを適切に行わないと、CO2の吸収や国土を災害から守るといった森林の持つ多くの機能を十分に発揮できないのです。
このため、国産材を利用することにより森林整備に必要な資金を山に還流し、「植える→育てる→収穫する→上手に使う」という「森林の循環」を促進し、国内の森林整備を進めることが、森林によるCO2吸収量の目標達成に向けて必要不可欠なのです。林野庁では、平成17年度から、地域材利用の意義等に関する普及啓発活動を強化し、国民運動として「木づかい運動」に取り組んでいます。