メルマガ94

★ 新コラム「代表幹事の想いを形に」No.2
心に植林を「市民フォーラム」   岡本 守生                   

★ 活動ニュース「健康住宅研究会」
リフォーム産業フェアで7/12開発商品を発表

★ メルマガ連載
山小屋通信–30 「木の板に絵を描く」 大森 明
                                              
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★シリーズ「代表幹事の想いを形に」No.2
心に植林を「市民フォーラム」
森の駅推進協議会代表幹事 岡本 守生

 では何故に「市民フォーラム」を開催するようになったかに就いて、少しばかり。
これまでの章で述べましたように、「森と住いを巡る社会の変化は、元気な住まいへ
は、ほど遠い社会になって」可なり歪になっておりますので、こうした社会を、少し
でも是正したい、と市民フォーラムは誕生致しました。

市民・生活者は森から元気を戴いていながら、往年の草刈り十字軍を始め、間伐や
植林などの一部のボランティア活動を除き、直接森に元気を与えるものを持っていま
せん。然し、「日本の森から産出した、香りある木材を使用した住まいを始めとする
諸木製品」を選択することで、森の川下(設計事務所・工務店)から遡って、
日本の森を元気にすることは出来ます(元気の循環)。
こうした選択は、森での植林よりも、生活者・市民の心に植林をすることにより
もたらされるのではと考えています。

 本来、森と人の文化は、互いに「お蔭様で…」だったのですが、戦後のエネルギー
を中心とする都市化と言う社会構造の変化で、森への寄り所が、無くなってしまい
ました。特に都会では、孤独な民の漂流が始まり、世の中の動きに疑問を感じず、
歪な世の流れのままに動いています。
その流れの中で、漫然と構えていては「古きに良さもある」は通じません。
こうした歪な社会に警鐘を鳴らし、啓蒙をする必要がありそうです。
将に住まいの昔への回帰であり、自然への回帰です。
今様に言えば「住まいのルネッサンス」ですから誰かがやらなければなりません。
今、市民の心に植林をしておけば、数年後には、香りある無垢の木材が求められる
可能性はあります。
50年後に役に立つ木々に育つ植林と同様な、森への貢献になるかも知れません。
既に、衣食住の中では、衣食は既に自然への回帰が進み、自然な食、自然な衣が
盛んになりました。生活生協等の運動のたまものです。
香りある自然の木材の選択で、忘れがちな森と言う自然を身近に覚え乍ら、家族
ともども毎日元気に過ごせますが、現在では、気の遠くなるような啓蒙活動です。
 こうした混沌とした社会で本ものを見出し、生活者の視点で啓蒙活動をするのが、
市民フォーラムの役割ではないか、と考えています。本物の啓蒙の中で、
自然への懐かしさを感じたり、
 忘れかけていた伝統を思い直したり、
 将来の健康を考えたり、
等で触発され、市民・生活者が自然への感想・意見を持つようになる。
即ち、自然と双方になることが、
「日本の森を元気にする」普及に繋がるのでは、と考えています。
自然との双方向の関係に持って行くには大変な努力がいります。
かかる使命を負う「市民フォーラム」は、
我々にとって、森の駅発の重要なネットワークと位置付けております。
                   …次号へ続く

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★ 活動ニュース/「健康住宅研究会」の商品開発
東京ビッグサイト・リフォーム産業フェアで発表  
「耐震健康シェルター」&「木っずルーム」(7/12)

当会健康住宅研究会は、既存住宅にインセットできる「耐震健康シェルター」
(木造ラーメン構造)を栃木県鹿沼市の林業・製材業と共に長く研究・開発
を続けましたが、最近建材試験センターの耐震振動実験にもパス、商品化を
進めています。
大震災の家屋倒壊の教訓から、現在住む家屋の中に組み込める経済性と安心
して寝ることができる安全性を追求、そして寝ている間に、樹木の癒し効果
で質の良い睡眠と健康が得られる、一石三鳥の商品です。
また同様の考え方で、集合住宅へのセットインを前提に設計された木造子供
部屋「木っずルーム」も、商品化に向けて同時進行しています。

この実物を、来る7月11日(火)12日(水)の2日間、東京ビッグサイト
(国際展示場)西3・4ホールで開催される「リフォーム産業フェア」で、
いよいよ展示致します。また二日目の12日(16:00〜16:30)には、
鹿沼健康住宅推進協議会の名前でトレンド・技術セミナー(E会場)を開催、
詳しい商品説明を致します。

これから全国に広がる、時代の期待に応える商品です。
皆様どうぞお誘い合わせの上お越し下さい。<入場無料>

*展示会全体の情報は「リフォーム産業フェア」と入力し検索して下さい。

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山小屋通信–30「木の板に絵を描く」      大森 明

山小屋の近隣地域に、ひっそりとしたたたずまいの古いお寺や神社がある。
その建物の中に彩色された古い板絵がさり気なく掛っていることがある。
奉納されたものだろうか。
若冲のように脚光を浴びている絵画ではないが,
記された年号を読むと江戸時代のものもある。
色があせてしまっているものもあるが、色彩がけっこう残っているものもある。
板は木の落ち着いた色調になり、木目模様が渋い味を出していて、
絵の色彩と絶妙の調和を生みだしているように見える。
江戸時代の絵師は、何百年後のこの調和のとれた状態を、
意識して描いてはいないであろうが、存在感のある作品になっている。
山小屋工房としても、この日本の文化に敬意を表して、木の板に絵を描いてみた。
手頃な1枚板が手元に無かったので、
次善の策として拾ってきた間伐材集成板に彩色画を描いた。
道管に沿った絵の具のにじみを警戒したが、大丈夫だった。
これはいま山小屋入口の看板になっている。
片面が当方の彩色画で、もう1面は以前紹介させていただいた亡父の書という
「リバーシブル板絵」。何百年はもたないと思われるが。