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「森の駅発」メルマガ 第57号 ☆彡
=森から生まれたエコ農業–6(最終回)=
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森から生まれたエコ農業–6(最終回)
愛知県知多半島の南知多町の20ヘクタールの有機栽培農場、
農事組合法人「光輪」の奇跡を創始者の熊崎巌さんにお聞きしています。
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英国国営健康保険サービス連盟の議長でウェストミンスター大学
統合医療学科客員教授であるマイケル・ディクソン医学博士や、農業の研究
で知られるイスラエルのヘブライ大学の学長は、「光輪」農場を訪れ、
有機野菜の立派な出来具合や、連作栽培の成功を見て驚きました。
森にヒントを得たエコ農業は不可能を可能に変え、人々に希望を与え、
永続可能な未来を照らしています。
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熊崎さん:
農場に訪れた人たちが、まず驚くのはセロリを食べた時かもしれません。
「こんなにおいしいセロリは初めて食べた!」
「嫌な癖や苦味がまったくない」と口を揃えたようにおっしゃいます。
セロリの風味には特徴がありますが、
やさしく皆さんの舌にすーっと馴染んでくれるんです。
幕張メッセのイベントでは、ニンジンジュースを試飲した人から、よく
「このジュースには、どのくらい砂糖を入れたんですか?」と聞かれます。
もちろん、ジュースに砂糖なんて入れていませんよ。
それほど、甘くてこくのあるニンジンができるんです。
最近は、リンゴアレルギーの方でも食べられるリンゴや、
末期がんの方が改善したニンジンジュースなども出来るようになりました。
自然のバランスの中で育った作物は。美味しいばかりでなく、
自然に心身のバランスも整えてくれるのでしょう。
そのような元気な作物ができる農地では病害虫が発生しにくく、
気候変動にも対応し、さらに連作障害も起きません。
じつは、連作はすればするほどよくなります。
その作物を助ける微生物が増えていきますからね。
一方で、肥料や農薬や水を大量に使う農業では自然のバランスが崩れ、
土壌の保水性や団粒構造が失われていっています。
このような荒れた土でできた農産物は、人間の健康にもよくないでしょう。
日持ちがしないので、ポストハーベスト農薬を使わなければならなくなる等
流通時に様々な工夫もしなければならなくなるでしょう。
アメリカなどの大規模農業地帯では、地下水が減少し、水不足も起こり始め
食料危機を招くことが懸念されています。
地下水は、過剰な化学肥料により硝酸性窒素に汚染され、生態系が崩れ、
酸性雨が追い打ちをかけて、やがて農地は砂漠化していくでしょう。
医学界では、病気を対症療法的に扱うのではなく、
魂・心・体・ライフスタイル・環境をホリスティックにとらえ、
真の健康に取り組む試みも増えてきています。
そして、その基本となる原点は自然環境と食にあると思います。
どちらも、微生物やすべての命の循環が支えています。
命を扱う医学も農業も、自然を規範とし順応するやり方へ再構築することが
ますます求められてくるのではないかと思います。
森をよく観察し、自然をよく観察した結果、自然農法の哲理は、
「自然尊重、自然規範、自然順応」であると確認することができました。
そして、食は命であり愛であると確信したのです。
そのことを、農業を通してこれからも実現していきたいと思います。
皆さんもよかったら、知多半島にも遊びに来てみてください。
草でもむしりながら、話の続きをしていきましょう!
農事組合法人光輪 顧問 熊崎巌 ■
完 (インタビュー:中村いづみ)
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News A La Carte【ニュース アラカルト】
◆日本の厚生労働省は、主要なネオニコチノイド系農薬の一部について食品残留基準を緩和した。2015年5月19日付けで詳細をホームページ上でも発表。それによると、たとえば、クロチアニジンの食品残留基準は、従来に比べて、カブの葉は2000倍の40ppm、ミツバは1000倍の20ppm、シュンギクは50倍の10ppmに緩和された。ちなみに一般的な農薬の一律基準値は0.01ppmです。(厚生労働省 HPより)▼
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11130500-Shokuhinanzenbu/0000086038.pdf
◆米環境保護局(EPA)は、ミツバチの大量死の原因と疑われているネオニコチノイド系農薬の新たな使用を原則禁止にする方針を発表した。すでに許可を受けた範囲での使用は今後も認めるが、新規導入や使用拡大はできなくなるという。(途中省略)今回米国で規制対象となった4種のうち、クロチアニジンなど3種について欧州連合(EU)は2013年に一時的に使用禁止にした。一方、日本は厚生労働省の審議会が昨年末、クロチアニジンの食品中の残留基準を緩和する案を了承。(朝日新聞2015年4月13日掲載記事「ハチ死なす農薬を禁止」より一部伐採)
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