=森から生まれたエコ農業 1=
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愛知県南知多半島にある
20ヘクタールの有機栽培農場、
農事組合法人「光輪」を訪れました
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日本の有機栽培の農地面積は全農地面積の何%あるでしょうか?
1 10%
2 5%
3 1%未満
答えは本文をご覧ください。
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「光輪」の農場は、17年前までは不毛の地でした。
海底が隆起してできた岩石の大地で、
石ころだらけの地面が何層にも積み重なり
「ここでは絶対に農業は無理だ」と誰もが口を揃えて言うほど
一見すると何も作れない荒涼の地に見えました。
しかし、「光輪」の創始者、熊崎巌(くまざきいわお)さんは違っていました。
14歳のときから
農薬も肥料も使わない自然農法で野菜やお米を育ててきた
長年の体験と直感から、
「ここでも立派な作物を育てることができる」と確信したのです。
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結果はどうなったでしょう。
現在、20ヘクタールの「光輪」の有機栽培農場では、
熊崎さんの言う通りに立派な野菜が収穫できるようになり、
年間を通して10種類以上の野菜を作ることができるようになりました。
美味しくて、日持ちがして、
置いておくと腐敗せずに発酵ーしていくような立派な野菜ばかりです。
出荷量も大規模で、有機大根は日本最大規模で、年間約50万本。
有機玉ねぎは200トンです。
20ヘクタールの農地面積は
オーストラリアやアメリカに比べると規模は大きくありませんが、
日本の平均経営面積は2.7ヘクタールですから約10倍の規模。
しかも、日本の有機栽培の農地面積は全体の約0,18%という状況から
有機栽培の野菜の農地としては恐らく日本最大になるでしょう。
なぜ不毛の地が豊饒の地に変わったのでしょうか?
具体的には、段階を踏んで熊崎さんが行ったポイントがいくつかあるのですが、
第一に、熊崎さんには、自然を観察する非常に高い能力をお持ちだったということは欠かせません。
熊崎さんは、約70年前に岐阜県の下呂市に生まれましたが、
農業のほか炭焼きや林業も営まれていた家の仕事を
小さい頃から手伝っていました。
特に、林業では、太陽の当たり方などの
様々な自然要因によって木の育ち方が異なるため、
日頃から、自然を観察することの大切さを
身に染みて覚え込んでいたそうです。
そのため、自然を観察して自然に即したやり方を提唱する自然農法に出会ってからも、すぐにその農法を体得することができたのです。
次回は、成功に至る自然農法の具体的なコツを熊崎さんに教えていただきます。
そこには、森と農業の繋がりがありました。
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冒頭の質問の答えは 3 でした。
やっぱり! と思われたでしょうか?
そんなに少ないの? と思われたでしょうか?
環境にも人間の健康にも安全安心な農業も、
これまでご紹介してきました林業と同様に
多大な可能性が眠っているようです。
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