メルマガ39

=釈迦牟尼ブッダと森のお話=
昨年発刊の「手塚治虫のブッダと学ぶ もう迷わない人生」(実業之日本社)の監修をした
来日27年になるスリランカ(旧セイロン)の僧侶、パンニャラーマさんから
先日、次のようなお話をお聞きする機会がありました。
1948年にサンフランシスコ平和条約で日本への賠償請求の話が出たとき
スリランカの元大統領は「憎しみは憎しみではなく、愛によって解消するものです」
という演説をし、日本から賠償金を受け取ることは止めましょうと
仏陀の教えを持って他の国々のリーダーを説得したそうです。

仏陀の教えは本来、分かりやすく、すべての経典は
万人に分かるパーリ語で書かれていたそうですが、
そのひとつ「ダンマパダ」の一節にも
「恨みで恨みが消えることはない
恨みは恨みを捨てることで消える
これが永遠の真理なのだ」とあります。

仏陀は木の下で生まれ、木の下で悟りを開き、木の下で入滅されましたが、
森を大切にすることも説法していたそうです。

ヨーガの伝統では、人間の一生を4期に分けて過ごすのを理想とし
学生期(学問や技術などの修得)、
家長期(生業を営み、家族を養い、社会的活動をする)、
林棲期(家督を譲り、森で修行する)、
遊行期(巷を歩き、人生の道を人に説く)とし、
50歳を過ぎたら、森に入って人生を省みて瞑想するそうです。 

今でもスリランカでは、森にヨーガや瞑想のできる施設があり
心身のリラクゼーションと心を浄める場所として
人々に親しまれ、仏陀の教えも生活の中にあるそうです。
そのせいなのか、どうなのか
学校でのいじめや校内暴力、突然頭が切れるような人は
いないそうです。

何かあったときは森に行って心を落ち着かせ
心身を癒すという習慣は
今の日本にもぴったりかもしれません。
仏陀の教えもきっと森から生まれたのだと思います。
森を元気にすることは、人間を元気にしてよい思考を働かせv 善循環の源になっています。