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1 新シリーズ 森から生まれる産業  第2回「家畜残酷物語VS山地酪農」
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☆彡1 家畜残酷物語VS山地酪農

美味しいと安全は必ずしもイコールでないことがあるかもしれません。
たとえば、やわらかい子牛の肉は、次のようにして作られているそうです。
乳牛から生まれた雄の子牛は生まれるとすぐに母牛から引き離され
人々に好まれる柔らかくて白い肉にするため
鉄分や繊維の不足した液体状の餌で育てられ
筋肉の発達を防ぐために身動きが出来ないような狭い檻に入れられます。
その結果、様々な肉体的な障害にさらされ、ほかのやり方で育てられた子牛より
5倍近くもの薬物治療が行われているという報告が米国農務省によって出されています。

また、工業的畜産のメス豚は、4ヶ月の妊娠期間中、
向きを変えることも出来ないほどの狭い檻の中で
硬いコンクリートの床の糞尿の上にいることも多いため
泌尿器系の感染症もかかりやすい状況の中で子豚を生み、
生んだあとも似たような檻に移され
母子共に過ごしますが、三週間後には引き離され、
すぐに妊娠させられて同じサイクルをたどります。
そのようなメス豚はストレスで異常な行動を起すこともあります。

高級食材のフォアグラは、フランス語で脂肪肝のことですが、
ガチョウを脂肪肝にさせるために、パイプで強制的に餌を押し込んで食べさせます。
その結果、肝臓は通常の10倍くらいになります。
このように不自然なやり方で育てられる家畜は薬品への依存が高まります。
安全と倫理の視点から、工業的畜産への行き過ぎたやり方には
疑問を感じる人も多いことでしょう。

一方で、山地酪農というやり方があります。
山には牛の好物の森の下草や孟宗竹や広葉樹がいっぱい。
森に牛が入ると牛は幸せになると思いますが、
森にもいいことがあります。
牛のひづめが、広葉樹の実を地面にうまく活着させて
森の保全になる広葉樹を生えさせたり
針葉樹林の下草をきれいに食べて
広葉樹の木の実から出てきた芽がうまく成長できるようにしたり……。

元々日本の山の3割は草原だったそう。
葛飾北斎の東海道五十三次には野しばの広がる山地の風景が描かれ
おじいさんは山に芝刈りに行きました……と、
物語にもあるように、山は草刈り場であったり家畜の放牧地だったり
健康的な家畜と一緒に暮らした人々の生活も浮かんできます。

6月8日の森の駅市民フォーラムで
岩手県にある中洞牧場の中洞正さんからお話をお聞きしました。
中洞牧場では、昔ながらの産地酪農を行なっていますが、
日本ではあるとき、壊滅的な出来事が起こり
ほとんどの酪農家が絶えてしまったそうです。
それはなぜそうなったのでしょうか。
次回に続きます。

☆彡2 森の駅市民フォーラムで(主催はNPO法人農商工連携サポートセンター)
中洞牧場視察ツアーに参加します。

  ★主催:NPO法人農商工連携サポートセンター
★御協力:株式会社 山地酪農研究所
★募集人数:10~15名
「家畜に優しい酪農」に関心を有する企業2~3社+個人10人前後を想定。
★ツアースケジュール(予定)
◎7月14日
10:10 盛岡駅集合 (東京駅7:32~盛岡9:59 はやて15号が便利です)
10:15 盛岡駅発(レンタカー)
13:30 仲洞牧場到着(途中昼食)
   チェックイン
14:00~15:30 仲洞所長お話し
16:00~17:00 矢崎栄司「家畜福祉の動向」
夕食・懇談・宿泊

◎7月15日
7:00 朝食
8:00~12:00 牧場視察
12:00~13:00 昼食
13:00 仲洞牧場発
16:00 盛岡駅着
解散
(盛岡16:23~東京19:24 はやて110号)
★費用 交通費・宿泊費実費等