国産材の流通経路

(1) 植林・保育を行う森林所有者等(森林組合など)
山に苗木を1本1本植え、その後も森林の保水力を維持したり、良材を生産するために、枝打ちや間伐などの保育(手入れ)作業を行います。

(2) 立木の伐採を行う素材生産業者
成長して十分な大きさになった立木を伐り倒し、玉きり(利用する長さに切り離す作業)にして、市場や工場へ運搬します。森林所有者等が自ら行う場合もあります。

(3) 原木市場
原木市場では競り売りがされます。原木市場は、森林組合連合会や民間会社が販売手数料により経営しています。良質の木材は高値により売買されます。
原木市場を経由せずに製材工場に運ばれる場合もあります。

(4) 製材・乾燥を行う製材工場
丸太の皮をむき、角材や板材などに加工して製品にします。製材用の機械で作業します。製材した木材は乾燥施設の人工乾燥機で十分に乾燥させます。製材工場がプレカットまで行う場合もあります。また集成材の工場や合板工場を通して加工され流通する場合もあります。特に合板製造における国産材の利用は急増し、2001年から2008年にかけて10倍に拡大し、外材の利用を上回っています。
*集成材=板材を木目の方向が並行になるように、長さ、幅、厚さの各方向に接着した製品で柱や梁などの構造用と階段や床などの造作用に大別されます。
*合板=丸太から薄くむいた板を木目の方向が直交するように交互に重ね、接着したもの

(5) 製品市場
製材工場で加工された木材製品が、製品市場で木材卸売業者に競り売りされます。さらに、小売業者、工務店等に卸し売りされます。最近ではこれらを経由せず、プレカット工場経由で流通経路を短縮化している場合も多くなっています。
*プレカット=柱、梁、土台等の接合部をあらかじめ工場で機械により加工すること

(6) 住宅建設を行う大工・工務店・ハウスメーカー
木材の特徴を生かすように工夫した設計に基づいて、柱や梁をおもな骨格として、木材を組み合わせて住宅を建てます。各種の設備工事や仕上げなどを行って、施主にお渡しします。